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臨床指標(クリニカル・インディケーター)

記事ID:0064687 更新日:2026年10月26日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 <外部リンク>

クリニカル・インディケーター(Clinical Indicator)とは

 クリニカル・インディケーター(Clinical Indicator)とは、病院の様々な機能を適切な指標を用いて表したものです。これらを分析し、改善することにより医療サ-ビスの質の向上を図ることを目的とするものです。
 自施設では、病院指標、病院情報の公開(医療の質)について、ホームページに掲載し、毎年更新しています。さらに、自施設の診療特性から継続的な分析を行うために、令和8年度は、項目を整理し4分野12項目において、臨床指標を定めました。これらに基づきデータを収集し、ここに公表します。また、看護においては、継続的質改善のための取り組みとして看護の質評価事業(DiNQL)に参画し、データを活用した分析を行い、積極的な改善活動に取り組んでいます。
 臨床指標の公表の取り組みは、厚生労働省における取り組みや、他の病院において公表されいる臨床指標を参考として、指標の収集・公表が適当な項目を精査するとともに、この指標の公表、改善 を繰り返すことにより、医療の質の改善に努めてまいります。

 

臨床指標目次(4分野13項目)

(1)病院全体

  1. 病床利用率・平均在院日数・効率性係数
  2. 医療通訳実施件数(FACIL)
  3. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率(褥瘡委員会)
  4. 入院早期の栄養アセスメント実施割合
  5. ポストアキュート・サブアキュート・医療的短期入院(レスパイト)の受入件数
  6. 在宅復帰率

(2)診療プロセス

  1. クリニカルパス使用率
  2. 大腿骨地域連携パス使用率
  3. 再入院率(肺炎・心不全)

(3)医療安全

  1. 転倒転落発生率
  2. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  3. 身体拘束の実施

(4)患者満足

  1. ご意見箱に投函された意見の中で「感謝の声」が占める割合

 

(1)病院全体

1.病床利用率、平均在院日数、効率性係数

DPC適用病棟における病床利用率と平均在院日数、そして効率性係数は、病院の適切な経営管理状態を示す指標の一つです。

  • 病床利用率 : 病床がどれくらいの割合で利用されているかを示したものです
    ​ ▶延在院患者数/許可病床数×365日)
  • 入院患者在院日数 : 入院患者1人あたりの平均的な入院日数を示したものです
    ​ ▶24時現在延在院患者数/(入院患者数+退院患者数)/2
  • 効率性係数
    ​主にDPC対象病院における「機能評価係数(2)」の評価項目の一つで、在院日数の短縮や病床運用の効率化の努力を数値化したものです。この数値が高いほど、適切な急性期医療が効率よく提供されていると評価され、病院の診療報酬(入院単価)が上がります。自施設ではコロナ禍で停止していたベッドコントロール会議をR6年度より看護部、医事課で復活し、現在は地域医療室やリハビリ科も含め、毎朝実施することで、効率的な病床運用と平均在院日数の適正化を多職種が関わり調整しています。
【年度比較】
DPC病棟 病床利用率(%) 平均在院日数(日) 効率性係数
R5年度 71.4% 15.0 0
R6年度 67.30% 13.9 0.01133
R7年度 60.50% 13.7 0.0257

芸金在院日数と効率性係数

2.医療通訳実地件数

 医療通訳の実施件数は、多様な患者への医療サービスの質向上に向けた取組を示す指標の一つです。
 加西市の令和8年3月末現在の人口は40,755人、そのうち外国人は1,872人(4.6%)を占めています。自施設は、外国人の方々が言語によって受診を躊躇することがないように、令和3年よりオンライン医療通訳FACILを導入しています。(本人負担なし)
 医療通訳FACILとは、外国人患者が通訳者を同行しなくても、オンラインで医療通訳者と繋がれる環境を提供できます。ビデオ通訳ができる言語は7言語、電話通訳は22言語が対応可能です。タブレット端末に医療通訳者が映しだされ、医師、患者、通訳者の3者でストレスなく診察を行えています。
 令和5年度までは、広報不足もあり利用者数は一桁にも満たないものでしたが、令和6年度より多言語のチラシを作成したり、市国際交流協会の協力を得て、外国人の方々に配布を行うことで周知が図られ、多くの方に利用していただけるようになりました。

【年度比較】
医療通訳 実施人数(人) 実施件数(件)
R5年度 2 2
R6年度 103 116
R7年度 134 152

​医療通訳実施人数と実施件数

3.d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率(褥瘡委員会)

 褥瘡予防対策は患者に提供されるべき医療の重要な項目の一つであり、発生率の低下は医療の質の指標となります。

■褥瘡発生率(褥瘡発生患者数÷退院患者の在院日数合計)(%)
  褥瘡の発生患者 d2以上褥瘡発生率 退院患者の在院日数
R5年度 33 0.05% 53878
R6年度 27 0.05% 53496
R7年度 22 0.045% 48426

褥瘡発生患者数とd2以上褥瘡発生率

4.入院早期の栄養アセスメント実施割合

 CF検査入院や白内障手術、産後ケアなど1泊2日の短期入院を除き、全患者に栄養アセスメントを実施しています。入院翌日に実施し、GLIM基準による判定を行い、医師・看護師・言語聴覚士などから情報を得、栄養管理計画書を作成します。リスクに応じ再評価時期を設定し、モニタリングを行います。中等度〜重度低栄養、術後の食事摂取不良でさらなる低栄養進行が懸念される場合は、栄養サポートチーム(NST)へ介入を依頼します。

■栄養アセスメント実施割合(アセスメント実施患者数÷患者数×100)(%)
  栄養アセスメント実施割合 アセスメント実施患者数 患者数
R5年度 83% 2,166 2,614
R6年度 88% 2,193 2,497
R7年度 89% 2,076 2,323

栄養アセスメント実施割合

5.ポストアキュート・サブアキュート・医療的短期入院(以下、レスパイト)の受入れ件数

 自施設は、徐々に病院機能を急性期医療から回復期医療へと転換し、高齢化が進む同地域に根ざしたかかりつけ病院としての医療を提供しています。自施設において対応が困難な高度急性期医療については基幹病院と連携し、急性期治療後のポストアキュート(急性期経過後に引き続き入院医療を要する状態)の患者の受け入れや、地域の診療所・介護保険事業所の施設などからの高齢者を中心とするサブアキュート(重装備な急性期入院医療までは必要としないが、在宅や介護施設などにおいて症状の急性憎悪した状態)の患者の受け入れを積極的に行い、地域包括ケア病棟99床を稼働させ、在宅復帰に向けた支援を行っています。

 
  レスパイト受入件数 サブアキュート受入件数 ポストアキュート受入件数
R5年度 32 51 67
R6年度 20 26 79
R7年度 21 28 78

受け入れ件数

6.在宅復帰率

 在宅復帰率とは、病院や介護施設から退院・退所した患者・利用者のうち、自宅や居住系施設など「在宅等」に戻った割合を示す指標です。

■在宅復帰率(退院先が自宅等の患者数÷生存患者退院数×100)(%)
  在宅復帰率 生存患者退院数 退院先が自宅等の患者数
R5年度 80.2% 1,066 855
R6年度 83.3% 1,027 856
R7年度 81.6% 919 750

在宅復帰率

(2)診療プロセス

1.クリニカルパス使用率

 クリニカルパスとは、治療や処置、検査、看護などの診療内容をスケジュール表にしたものです。医療の各分野の専門家によって、科学的根拠に基づいて作成されるため、診療の標準化が図られます。現在、自施設の病院機能の変化に伴う疾患別パスの見直しや紙運用から電子化への移行など、委員会が主導となり取り組んでいます。

■クリニカルパス使用率(パス適用患者数÷退院患者実数×100)(%)
  クリニカルパス使用率 退院患者実数 退院患者実数うちパス使用率
R5年度 22.40% 2548 571
R6年度 14.20% 2704 383
R7年度 18.90% 2323 438

クリニカルパス使用率

2.大腿骨地域連携パス使用率

 大腿骨地域連携パスは、大腿骨近位部骨折患者の治療・リハビリを医療機関間で円滑に連携させるための診療計画共有システムです。
 患者や家族に対して、各医療機関の役割や診療内容を事前に説明することで、安心して治療を受けられる環境を整えます 。特に高齢者に多い骨粗鬆症による大腿骨頸部・転子部骨折では、廃用予防や早期在宅復帰が重要な課題となるため、効率的なリハビリ提供が目的です。

■地域連携パス使用率(大腿骨頸部骨折に該当する退院症例数÷地域連携診療計画加算算定された症例数×100(%)
  大腿骨地域連携パス使用率 傷病名が大腿骨頸部骨折 (大腿骨頸部骨折骨接合術、大腿骨頸部骨折人工 骨頭置換術等を実施している場合に限る)に該当 する退院症例数 退院症例数のうち、「地域連携診療計画加算」
が算定された症例数
R5年度 28.90% 90 26
R6年度 37.50% 88 33
R7年度 33.30% 87 29

大腿骨地域連携パス

3.再入院率

 再入院率とは、退院後に同一または関連する疾患で再び入院する患者の割合を示す医療指標です。具体的には、退院後4週間以内に再入院した患者の割合を指します。再入院率は、病院の医療の質を評価する指標の一つです。
 当院では75歳以上の後期高齢者が7割以上を占めるため、一旦疾患が軽快しても再燃し合併症を併発する場合があります。当院で多くみられる再入院では、心不全が一番多く次に肺炎となっています。平均在院日数の適正化を進めながら医療サービスの低下を防ぐために再入院の要因の把握と分析が重要です。令和7年度からは、心不全患者の療養環境について、医師をはじめ心不全認定特定看護師を中心に多職種で介入し、指導や支援を行う取り組みを開始しています。

■再入院率(4週以内に再入院した患者数÷退院患者数×100)(%)
  再入院率 退院患者数 退院患者のうち、4 週間以内に再入院した 患者数
R5年度 3.20% 1720 55
R6年度 2.42% 1739 42
R7年度 3.81% 1547 59

再入院率

【1】心不全再入院率(4週以内に心不全で再入院した患者数÷心不全の退院患者数×100)(%)
  心不全再入院率 心不全の退院患者数 心不全の退院患者のうち、4 週間以内に心不全症状で再入院した 患者数
R5年度 7.19% 153 11
R6年度 7.09% 141 10
R7年度 4.90% 143 7

心不全再入院率

【2】肺炎再入院率(4週以内に呼吸器疾患で再入院した患者数÷肺炎の退院患者数×100)(%)
  肺炎再入院率 肺炎の退院患者数 肺炎の退院患者のうち、4 週間以内に呼吸器疾患で再入院した 患者数
R5年度 2.38% 126 3
R6年度 0.58% 171 1
R7年度 2.16% 139 3

肺炎再入院率

(3)医療安全

1.転倒転落発生率

入院患者の転棟転落は、まず発生しないよう対策を講じることが重要です。万一、転棟・転落がおきても、外傷が比較的軽く済むように工夫することが必要です。

■入院患者の転倒転落発生率(入院患者に発生した転倒転落件数÷延べ入院患者数×1000)(‰)
  転倒・転落発生率(‰) 退院患者の転倒回数合計 述べ入院患者数(人)
R5年度 3.3 172 51,330
R6年度 4.3 220 50,977
R7年度 3.3 155 46,103

※R8年度4月~7月の4か月間の転倒転落発生率は3.4%

転倒・転落発生率

2.転倒転落による患者影響度分類レベル3b以上の発生率

■3b以上の発生率(入院患者の転倒転落による3b以上の損傷発生数÷延べ入院患者数×1000)(‰)
  レベル3b以上の発生率(‰) 退院患者の転倒回数合計 退院患者の在院日数合計
R5年度 0.17 9 51,330
R6年度 0.13 7 50,977
R7年度 0.15 7 46,103

レベル3b以上の発生率

※令和8年度4月~7月の3ヵ月の転倒転落による3b以上の傷害発生率は0.27%である。転倒転落発生率は例年と同比に対し、3b以上の傷害発生率は3ヵ月間ですでに昨年度より増加している。そのため、傷害発生に至った理由について、背景などから分析し、今後取り組むべきことについて関係委員会で協議する予定です。

3.身体拘束の実施率

 R6年度の診療報酬改定による身体拘束最小化に向けた取り組みを強化した以降、身体拘束の実施率は減少しています。身体拘束のガイドラインに沿って3原則で評価し、見守る看護の実践を工夫し、身体拘束最小化に向け看護実践を強化しています。

■身体拘束実施率(身体拘束日数合計÷退院患者の在院日数の合計×100)(%)
  身体拘束の実施率(%) 分母のうち身体拘束日数合計 退院患者数の在院日数の合計
R5年度 20.32 10,948 53,878
R6年度 6.15 3,288 53,496
R7年度 2.09 1,013 48,426

身体拘束の実施率

(4)患者満足

1.ご意見箱に投函された意見の中で「感謝」の声が占める割合

 2022年度「みなさまの声」と称するご意見箱への投函件数が32件と少なかった経緯があります。できるだけ多くのご意見を伺い、医療サービスの向上に努めることを目的に「みなさまの声」用紙を入院時のしおりに入れることを開始しました。その結果、件数総数は年々増加しています。病院へのご意見の中で、感謝の声の割合が増加することは、患者の満足度の向上を示しています。

■感謝の割合(投函された意見の中の感謝の声の件数の割合÷投函件数×100)(%)
  感謝の声の割合 投函件数 感謝の声の件数
R5年度 54.20% 59 32
R6年度 59.70% 77 46
R7年度 60.60% 99 60

投函件数と感謝の声件数

【DiNQLデータ】

 看護においては、継続的質改善のための取り組みとして日本看護協会の「労働と看護の質向上のためのデーターベース事業(DiNQL)」に2019年から参画し、データを活用した分析を行い、積極的に改善活動に取り組んでいます。

 
褥瘡推定発生率(%)
d2以上
自施設 同規模48~65病院 同機能140~163病院
R5年度(10月) 0.6 0.93 0.89
R6年度(10月) 0.88 0.76 0.75
R7年度(10月) 0 0.74 0.9

褥瘡推定発生率

 
転倒転落発生率(‰)
レベル1~5の計
自施設 同規模48~65病院 同機能140~163病院
R5年度(10月) 1.66 2.94 2.7
R6年度(10月) 7.03 2.75 2.81
R7年度(10月) 3.74 3.11 3

典太王転落発生率

 
誤薬発生率(‰)
レベル1~5の計
自施設 同規模48~65病院 同機能140~163病院
R5年度(10月) 3.44 2.28 2.29
R6年度(10月) 2 2 2.33
R7年度(10月) 6.98 2.23 2.44

誤薬発生率

 
身体的拘束患者割合
(%)
自施設 同規模48~65病院 同機能140~163病院
R5年度(10月) 28.79 8.26 8.45
R6年度(10月) 7.4 7.57 7.57
R7年度(10月) 2.92 5.79 6.17

身体拘束患者割合

 


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