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血液検査で健康チェック!

記事ID:0009402 更新日:2022年4月1日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 <外部リンク>

貧血・感染症

 血液検査で分かること

検査項目 臨床的意義
赤血球
(RBC)

赤血球は直径7ミクロンくらいのくぼんだ円盤状をしていて、薄い膜の中にヘモグロビン(血色素)が含まれているため赤い色をしており、肺の毛細血管を通るときに空気中の酸素をヘモグロビンに結合させ、これを全身の組織に運ぶ仕事をしています。
血液1立方ミリメートルの中に、男性は500万個、女性は450万個あり、正常な赤血球は120日間体内で仕事をすると寿命がきて、脾臓などで壊されます。

ヘモグロビン
(血色素量)
赤血球の赤い色がヘモグロビンで、酸素の運搬役です。
ヘマトクリット
(赤血球容積比)
血液の中の赤血球の占める割合。貧血になると低値になります。
白血球
(WBC)

白血球は、赤血球よりも数が少なく、1立方ミリメートル中に約7000個存在し、好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球などの種類があります。これらのうち好中球と単球は細菌やウイルス、異物などを貪食して生体を守っています。
肺炎や虫垂炎など体内に炎症が起こると、血中の白血球数が増加し、1万から3万くらいになります。しかし、ウイルスやリケッチアの感染などのときには、かえって減少するので、いろいろな病気の診断に、白血球数が検査されます。白血球数が減少すると、細菌などに対する抵抗力が低下して、感染症を起こしやすくなります。

CRP
(C反応性蛋白)

CRPは多くの疾患で上昇しますが、疾患によって上昇の度合いが違います。
リウマチ熱、慢性関節リウマチでは、急性期や活動期にはほぼ全例で非常に高い値を示します。また、化膿性細菌感染症(しょうこう熱、敗血症、骨髄炎など)は100パーセント上昇するほか、消化管疾患、肝胆道疾患、呼吸器疾患、心血管疾患、血液疾患などでも、上昇します。

RA
(リウマチ因子)

リウマチ反応検査(RAテスト)は、リウマチになると血液中に出現するガンマーグロブリンと結合しやすいリウマチ因子を持つ物質の有無を調べるものです。
陽性ならリウマチが疑われますが、膠原病、慢性肺疾患などでも、陽性に出る可能性があります。

 

肝臓・胆のう機能

 血液検査で分かること

検査項目 臨床的意義
GOT(AST)
GPT(AST)

肝臓、心臓骨格筋などに多く含まれている酵素で、これらの臓器の障害で、細胞中から血液中に流れ出し高値になります。
主に肝炎、肝硬変、肝癌などの肝障害を知る手がかりとなりますが、心筋梗塞、筋疾患でも高値を示します。急性肝炎が進行中のときはGotよりもGptのほうが高くなります。

LDH
(乳酸脱水素酵素)
肝臓、心臓、骨格筋、腎臓に多く含まれる酵素で、これらの臓器の障害で高値になります。また、肝障害、心筋梗塞、筋疾患、悪性腫瘍、白血病、悪性貧血などを知る手がかりとなります。
ALP ALPもGOTやGPTと同様に、肝臓で作られる酵素の一種です。基準値よりも高いときには胆石の疑いがあり、黄疸の症状を伴っていれば、閉塞性黄疸が疑われます。
LAP 肝臓、すい臓、胆道などに多く含まれる酵素で、肝炎、肝硬変、肝癌、胆道疾患(ガン、結石、炎症など)、すい炎などで高値を示します。
γーGTP 腎臓、すい臓、肝臓に多く含まれる酵素で、主にアルコール性肝障害のほか、閉塞性黄疸、肝癌、慢性活動性肝疾患でも上昇します。アルコール常飲者では高値を示すのが特徴です。
CHE 肝臓で生成される酵素で、肝障害(肝実質障害)により活性が低下します。
T-Bil(総ビリルビン)
D-Bil(直接ビリルビン)

ビリルビンは、赤血球が破壊または老化して生じたヘモグロビンの終末代謝産物です。この中には水では溶けない性質を持つ間接型と、これが肝臓に運ばれて別の物質と結合した水溶性の直接型があります。総ビリルビンはこれらの合計です。
急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、胆のう炎、胆石症などで増加します。肝機能障害の症状である黄疸の黄色の物質です。

HBS抗原
(B型肝炎ウイルス抗原)
ウイルス性肝炎には、A型、B型、C型などがありますがその中のB型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを示します。抗原が陽性でも、肝炎が発症するとは限りません。
HBS抗体
(B型肝炎ウイルス抗体)
以前にB型肝炎ウイルスに感染があったかどうかを示します。

 

動脈硬化・慢性疾患

 血液検査で分かること

検査項目 臨床的意義
総コレステロール 主に肝臓で合成され、肝臓や筋肉、皮下脂肪、脳、中枢神経、などいろいろな臓器の細胞のなかに存在し、蓄積。ホルモンを作る材料になったり細胞の膜を作る重要な構成物になります。
トリグリセライド(中性脂肪)

トリグリセライドの生成は肝臓で、砂糖などの糖類、デンプン(穀物、いも類)などの炭水化物から作られます。だから取り過ぎると肥満、糖尿病その他、成人病の原因となります。
食物としての脂肪はこの中性脂肪が大部分を占めており、気になる皮下脂肪の主成分でもあります。

HDLコレステロール

動脈硬化を予防してくれる、善玉コレステロールです。
血清中のHDLコレステロール濃度と、動脈硬化性疾患の発生との間には逆相関があることが知られています。HDLコレステロールは喫煙や肥満、炭水化物の取り過ぎなどで低下し、持続的な運動やリラックスすることなどによって増加します。したがってHDLコレステロールの低い人は禁煙につとめ、肥満を改めるし、毎日適当な運動をすることが大切です

総タンパク

血清中の総蛋白は、各種の抗体や酵素、凝固因子など150種類以上のいろんな機能を持ったたんぱく質の合計したものです。大きく分けるとアルブミンとグロブリンになり、その50パーセントから70パーセントはアルブミンが占めています。
これらは細胞の生命現象に必要な物質を輸送をする役目を担っているほか、それ自身が機能を営んでいるたんぱく質もあります。
ですからあらゆる組織の病変が、蛋白の変動として反映してくるので、日常広く検査されています。
血清蛋白濃度が軽度~中等度上昇した高たんぱく血しょうは、いろいろな炎症性疾患でみられ、低たんぱく血しょうは主にアルブミンの減少によるもので、重症肝障害、栄養障害、悪性腫瘍、ネフローゼ症候群などでみられます。

アルブミン

肝臓で生成され、血液膠質浸透圧の維持や各種物質の運搬などの仕事をしています。
栄養不良の鋭敏な指標となり、ネフローゼ症候群や肝実質障害で減少し、急性脱水症では増加します。

 

糖尿病・すい臓機能

 血液検査で分かること

検査項目 臨床的意義
グルコース
(血糖)
血液中にはいろいろな糖が含まれていますが、血糖は一般的に血液中のブドウ糖(グルコース)のことをさします。このブドウ糖は身体を作っているいろいろな組織細胞のエネルギー源となる大切な物質です。主にパン、米飯などの炭水化物が分解されて生成されたものです。糖が不足したときは、糖新生という反応である程度の糖を体内で作ることができます。血糖は食事により、健常人でも食事前の2倍の血糖値になったりするので検査は空腹時におこないます。
グリコヘモグロビンA1C

糖尿病の検査には尿糖や血糖の測定が用いられていますが、これらの値は食事や飲酒、その他の身体的な原因によって変動してしまう欠点がありました。
それに対して、グリコヘモグロビンA1Cはそのような影響を受けることなく糖尿病の程度を示し、また、糖尿病患者様の過去(1ヶ月から2ヶ月程度)における高血糖状態も反映する事から、現在では糖尿病の検査項目として不可欠なものとなっています。

アミラーゼ

アミラーゼは消化酵素の1つで、すい臓に多く存在している膵型アミラーゼと、唾液腺に多く存在している唾液腺型アミラーゼの2種類があります。
上腹部とくに左寄りの上腹部の痛み、背中に響くような痛み、重圧感、吐き気などの症状があるときは、急性膵炎が疑われます。このようなときには、血液中や尿中のアミラーゼの上昇がみられます。

腎臓病・痛風

 血液検査で分かること

検査項目 臨床的意義
尿素窒素
(BUN)
たんぱく質代謝の最終産物で、腎臓機能低下をきたすと尿中に排出されず、体内に増加して高値を示します。また、蛋白質の大量摂取でも高値になります。
クレアチニン
(CRE)

クレアチニンは、エネルギー源であるクレアチン(リン酸)が筋肉中でクレアチンに転換され、血液中に排出されます。
クレアチンはほとんど尿のみで排泄されるため、腎機能の軽度の低下でも上昇します。このため、腎機能障害の指標として信頼性が高く、早期発見に役立ちます。

尿酸
(UA)

尿酸は、身体の細胞内の核原形質の成分の1つでもある核酸の代謝によってできるもので、プリン体(お菓子のプリンではありません!)の酸化物です。
食事にプリン体を多く含む食品を多量に摂取し続けると、尿酸が多くなります。
尿酸が上昇する主な疾患は、尿酸の排泄が悪くなる腎疾患、生産が過剰になる白血病、溶血性貧血、高血圧、肝障害、腎での再吸収が増加する妊娠中毒症などがあります。
体内に過剰になった尿酸は、腎臓や関節などで結晶化しはじめ、腎機能障害の更なる悪化や、痛風による激痛が走ったりします。


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