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臨床検査技師

記事ID:0009313 更新日:2020年11月30日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 <外部リンク>

臨床検査技師

臨床検査技師とは?

 臨床検査技師は病院をはじめ保健所や衛生研究所、健診センターなど多くの現場で活躍しています。

臨床検査技師になるためには

 臨床検査技師になるには高等学校を卒業後、大学などで臨床検査技師の養成課程を修め、国家試験に合格しなければなりません。

国家試験の受験資格を得るには

 厚生大臣が認可する専門学校或いは文部省認可の大学で一定の単位を取得する必要があります。

学校では、こんなことを勉強します

教育制度と教育課程

 臨床検査には必要な知識と技術を身につけ、人間性豊かなチームの一員として医療に参加し、保健、 福祉を支えるために学ぶ内容は、表に示した授業科目と時間数が厚生省の指定規則による決められています。 指定された総時間数2,790時間数に加え、選択330時間が設けられ教養・基礎教育の充実や先進検査技術が 学べるようになっています。

 また、臨床専門科目の一部を病院の現場で実際に学ぶ「臨床実習」330時間も義務づけられています。

表1.授業科目および時間数

  科目 講義 実習
基礎科目 人文科学
社会科学
自然科学
外国語
保健体育
30
30
150
120
15

45
30
30
150
120
60
小計 345 45 390
基礎専門科目 医学概論
解剖学
生理学
生化学
微生物学
病理学
医動物学
情報科学概論
検査機器総論
医用工学概論
15
45
45
60
45
60
30
30
45
30

30
45
45
45
45
15
30
15
75
90
105
90
105
45
30
45
60
小計 405 255 660
臨床専門科目 公衆衛生学 臨床医学総論
臨床病理学総論
臨床検査総論
検査管理総論
病理組織細胞学
臨床生理学
臨床化学
臨床血液学
臨床微生物学
臨床免疫学
放射性同位元素
検査技術学
関係法規

60
45
60
60
45
30
90
60
60
45
90
30
15

45
○90
○135
○135
○180
○135
○135
○180
15

105
45
60
150
45
165
225
240
195
180
270
45
15
小計 690 1,050 1,740
合計 1,440 1,350 2,790
選択   330
総計 3,120

○印は臨床実習を含む(計330時間以上)

表2.系統別教育科目

共通基礎科目 人文科学、社会科学、自然科学、外国語、保健体育
共通科目 医学概論、臨床医学総論、臨床病理学総論、臨床検査総論、公衆衛生学、情報科学概論、医用工学概論、検査機器概論、検査管理総論、関係法規
機能系 生理学、臨床生理学
分析系 生化学、臨床化学、RI(臨床血液学)
形態系 解剖学、病理学、病理組織細胞学、臨床血液学、医動物学
病原系 微生物学、臨床微生物学、臨床免疫学

病院での役割

 患者さんが医者の診療を受ける時に「頭が痛い」「熱がある」など様々な症状を訴えると、 医師は「これこれの検査をしてみましょう」といいながら検査伝票で必要な指示を出します。 これが臨床検査です。

 医師は様々な臨床検査から得られたデータを解析して、患者さんの病気を診断し、治療方針を決定します。これを科学的に診断作法と言います。つまり、臨床検査は治療の入り口でもあり 、病気の経過観察、治療効果の判定、重大な病気の早期発見などに大きく貢献しています。

病院で行う検査には次のようなものがあります

1.生理学的検査

 身体に器具を装着して直接情報を得ます。

  • 脳波検査:頭皮上に電極を付けて被験者自身が出すα波、β波などの電気的信号を脳波系で記録します。 脳神経の病気、平衡機能検査等に用いられます。
  • 眼底写真検査:眼の網膜の変化を眼底カメラで写真に撮ります。動脈硬化、糖尿病等で起こる変化を探します。
  • 呼吸機能検査:思いっきり息を吸ったりはいたりしてその記録を取ります。肺の病気を診断します。
  • 心臓系検査:心電図、心音図、脈波、負荷心電図等を実施し、心臓系を調べます。心筋梗塞、心不全などの診断に利用します。
  • 超音波検査:身体に超音波を当てて各種臓器の状態を反射波で診ます。腫瘤、結石など異常のほか胎児の動きなどを診るのに利用します。
  • 磁気共鳴画像検査:磁気発生装置で身体に磁気を当て得られたエネルギーを画像にして診ます。
  • 熱画像:身体の表面温度の変化をカラーグラフィック化し熱分布により異常を診ます。

2.検体検査

 血液や胃液、粘液、尿、便などの検体を使って病状を把握する検査です。

  • 血液学的検査:採血して、血液中の成分の赤血球、血色素から貧血程度、白血球の多さから炎症の程度や白血病などを診断します。
  • 生化学的検査:血液中に含まれる糖質、蛋白質、ビタミン、ホルモンなどを調べ、各臓器の異常を診ます。
  • 免疫血清学的検査:微生物の侵入に抵抗する免疫機能の状態を測ることで、すでに侵入したウイルスの特定を行います。
  • 微生物学的検査:病原性大腸菌O-157やMRSA、エイズや肝炎を引き起こすウイルスなど数多くの種類があります。これらを培養して検出し、さらに検出された微生物にどのような薬剤が有効か判断する薬剤感受性検査もあります。
  • 尿・便などの一般検査:尿の成分を調べ、腎臓や肝臓の異常をチェックしたり、消化器の異常を診たりします。
  • 輸血・臓器移植関連検査:適合輸血を行うため、血液型検査や交差適合検査を行うほか、臓器移植の際は臓器適合検査を行います。
  • 遺伝子検査:遺伝子を増幅し、遺伝子のDNAの異常を検出します

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