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小児科 診療内容・特長

記事ID:0003476 更新日:2025年4月1日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 <外部リンク>

小児科は木曜日と金曜日に診療しています。

 市立加西病院小児科は木曜日午前と金曜日午後だけですが、開業しています。
木曜日の担当は神戸大学病院小児科教授の野津寛大医師、金曜日の担当は北播磨こども発達支援センターわかあゆ園園長の水戸敬医師です。
野津医師は日本小児科学会兵庫県地方会の会長であり、兵庫県の小児診療の統括者です。専門は腎疾患および遺伝性疾患ですが、幅広い知識を武器とし、一般小児診療も得意とし、どのような領域の病気でも診療することができます。姫路赤十字病院小児科で常勤医師として診療を支えていた経験もあります。
水戸医師は神経疾患、特にてんかんや発達障害の専門家であり、これらの疾患はもちろん、起立性調節障害やその他の心身症の診療も行っております。また一般小児診療ももちろん得意とし、市立加西病院小児科で常勤医として10年間、非常勤としても10年以上の勤務経験があります。
このような頼れる小児科医師が市立加西病院小児科の診療を支えています

​​市立加西病院小児科の強みをいくつかご紹介させていただきます。このような疾患でお困りの場合は気軽に受診していただきご相談ください。

感染症(風邪、気管支炎、肺炎、腸炎など)診療

 小さいお子さんや小学生、中学生のお子さんたちは、コロナ禍の自粛生活のため、しばらく全く風邪のウィルスに触れず過ごしておりました。しかし、コロナ禍が空けて、久しぶりに様々なウィルスに触れるようになったため、ありとあらゆる風邪をもらってくるここ数年間ではないでしょうか?それらを家庭に持ち込み、ご両親や、同居しているおじいちゃん、おばあちゃんまでも度々風邪を引くし、兄弟間でも次々と風邪をうつしあって家庭内で蔓延していることと思います。中にはあまりにもお子さんがしょっちゅう風邪を引いたり、なかなか治らないために不安に感じてらっしゃたりする方も多いでしょう。実際、コロナ禍が空けたこの2−3年間で、マイコプラズマ肺炎、RSウィルス感染症、インフルエンザ感染症などがこれまでにないレベルの大流行を起こし、こどもたちは数年間触れていなかった病原体のため、症状も通常より重症化しやすい傾向がありました。このような傾向は今後も数年間は続くものと予想されます。
 お子さんに風邪症状があり、発熱したり、咳が止まらない場合には、その病原体の同定のために迅速抗原検査というものがよく用いられます。インフルエンザが疑われた場合に、綿棒で鼻をほじって15分くらいで結果が出るやつがそれです。この抗原検査は、インフルエンザ、新型コロナ、RSウィルス、マイコプラズマ、溶連菌、その他よくあるウィルス等は大体そろっているのですが欠点もあります。欠点(1)抗原検査は、ウィルス等の一部の蛋白を検知するシステムなので、PCR検査に比較して決して感度がよくない。つまり、正確に診断できないことがある。欠点(2)それぞれ、別のキットで検査するため、そのウィルスごとに何度も鼻をほじる必要があるなどがあげられます。
 その欠点を克服するために加西市民病院におきましてはFilmArrayという検査が導入されております。こちらはマルチプレックスPCRという検査方法で、1回鼻をほじるだけで、アデノウィルス、新型コロナウィルス、従来のコロナウィルス、ヒトメタニューモウィルス、ライノウィルス、エンテロウィルス、インフルエンザウィルス、RSウィルス、百日咳、クラミジア、マイコプラズマを高感度であるPCR検査により検出することができます。そのため、お子さんが何らかの症状に苦しんでいる場合もかなり高確率でその原因を特定することができます。欠点は検査結果が出るのに約1時間かかること、また一度に検査できる検体数が限られているため、さらに待ち時間が長くなってしまう可能性があることです。ですので、検査適応は様々な抗原検査を行っても病原体不明の患者さんや、明らかに重症感があり病原体同定が絶対に必要な患者さんとなります。検査希望される場合は結果が出るのに1時間かかりますので、診療終了時間の1時間以上前に余裕を持って受診してください。
夜尿症診療  お子さんの夜尿症(おねしょ)でお困りの方もいらっしゃるでしょう。といいますのも夜尿症は決してまれなことではなく、10歳のお子さんでも5−10%で認めるとされております。ですので、お子さんが夜尿症を認めても不思議ではありません。夜尿症は膀胱の発達が年齢に比較して未熟なために夜間に無意識に排尿してしまう病態で、これにはお子さんの責任は一切ありません。例えば、お子さんの中には、赤ちゃんの時に髪の毛が生えそろうのが遅い子、言葉が出るのが遅い子、歩き始めるのが遅い子、幼稚園や小学校では縄跳びが苦手な子など、様々な部分で平均に比較すると発達が遅い子がいます。しかし、それは病気ではなく、ほとんどの場合、遅れはするもののその後、平均に追いつきます。夜尿症も同様に、たまたま膀胱の発達が悪いだけで、そのため、本人も意図せずに夜間に無意識のうちに尿が漏れ出してしまうのです。夜尿症も時が来れば治ります。ただし、その治るまでの期間は治療介入してあげることで大幅に短縮できることが分かっております。実際夜尿症には治療薬が存在し、それにより速やかに治してあげられることが多いです。中には難治性で治療に数年要するお子さんもおりますが、それでも治療介入と医師による診察と声かけにより、放置するより断然早く治すことができます。野津医師は小児の腎泌尿器の専門家であり、その病態を深く理解すると共に、夜尿症の豊富な診療経験をもっているため、お子さんにとって無理なく適切な治療介入を行い、できる限り早期に治癒させることをお手伝いすることができます。木曜日午前中のみの診療ですが、実際にお子さんの受診が必要なのは初診時および夏休み、冬休みなどの長期休暇時のみで、その他は親御さんなどが状況報告および処方を受け取りに来ていただくシステムですので、お子さんが頻回に学校を休む必要もありません。夜尿症でお困りのお子様がいらっしゃいましたら気軽にご相談ください。
小児腎疾患診療、学校検尿異常児のフォロー  野津医師は日本小児腎臓病学会の理事であり、小児腎疾患診療ガイドラインなど多数の執筆を行っており、同分野では国内のリーダー的存在です。また、海外からも注目されており、たくさんの研究成果もあり、海外でも頻繁に招待講演を行っております。実際に診療におきましても、神戸市におきましては学校検尿のシステム管理の統括者であり、検尿異常児の診療も行っておりますし、国内各地から神戸大学病院まで野津医師の診療を受けに来院しております。小児腎臓病専門医のいない地域におきましては小児腎疾患患者や検尿異常児は遠方の専門医のいる病院まで行かなければなりませんが、加西市におきましては野津医師が担当するためその必要が無いという、大変恵まれた環境となっております。
てんかんなど小児神経疾患  水戸医師はこれまで、小児神経診療の国内有数の施設である鳥取大学脳神経小児科および国立精神神経センター(現、国立精神神経医療研究センター)で診療および研究を行い、その豊富な知識と経験により小児神経疾患のスペシャリストとして活躍してきました。現在、加西市と道一本隔てた加東市にある”わかあゆ園“に勤務しています。市立加西病院では頭部CT、MRI検査および脳波検査を行うことが可能であり、てんかんや発達絡みの小児神経疾患のお子さんの専門診療を行っております。
発達障害  ここ数十年の医学の進歩に伴い、小児科領域でのいろいろな病気の発生頻度が様変わりし、小児疾患の構成に変化が生じてきました。感染症で、例えば『麻疹(はしか)』や『風疹(三日ばしか)』、乳幼児期の髄膜炎の頻度が『予防接種』や『薬剤を含む治療法の改善』によって激減し、かつてはポピュラーだった『麻疹』の患者が見つかっただけでニュースになる時代になりました。すなわち、感染症の減少と軽症化が認められ、小児科受診児数の減少傾向を来しています。一方、小児科受診の増加傾向にあるのが、自閉スペクトラム症や注意欠如多動症などの発達障害です。”他児に比べ発達が遅れている“、”言葉が遅い”、”落ち着きがない“、”集団行動が難しい“、”コミュニケーションが取りにくい“、”こだわりが激しい“、”切り替えがわるい“などの症状が見られる場合は要注意です。水戸医師はこれまで加西市の3歳児検診に携わってきましたが、今年4月からは、発達障害を就学前に発見して療育に参加させ、出来るだけ問題点を改善させてスムースに小学校に入学できるようにすることを主な目的にした『5歳児検診』を任されることになりました。そして、療育の必要性を認めた場合には、加西市も関係する”わかあゆ園“にて療育を受けてもらう予定にしています。これまで保健所の検診で問題点を指摘され指導や治療を受けてこられている子どもさんもおられるでしょう。しかし、そのような子どもさん以外にもご家庭で「チョット気になる、心配だ」とか「こども園で指摘された」と悩まれている場合には、一度加西病院小児科をご利用ください。 
起立性調節障害  近年、発達障害以外でも相談が増えているものに『起立性調節障害』が有ります。主に小学校高学年から中学校の身体が急速に成長する時期に、”朝起きにくい“、”朝礼で倒れる“、“動悸”、“倦怠感”、“頭痛”、”腹痛“などの症状をきたします。思春期の身体の成長に自律神経系の成熟が間に合わないために症状が出現してくるといわれています。大人で言う『自律神経失調症』です。周りからは「学校をさぼっている」と誤解されたり、下手すると『不登校』へ繋がったりします。さて、『心身症』という病気があります。近年、子供にも増えてきている実感があります。ストレスや人間関係、生活環境などの影響から、体調不良が現われる状態です。腹痛や下痢、頭痛、高血圧、気管支喘息などの症状を呈してきます。子どもの場合、”いじめ”などの問題が潜んでいたり、子供の性格や自信のなさが誘因になったりします。『起立性発達障害』において、バックにこの『心身症』が潜んでいたりするとなかなか厄介なことになることがあります。子どもさんに心当たりがございましたら、お早めにご相談ください。生活指導や薬物投与などを行います。
予防接種  ”予防接種“の有効性は世界的にも認められており、自分だけでなく他の人への恩恵も提供できることから積極的に摂取すべきだと言われています。先に述べたように、予防接種のおかげで小児科の疾病構造が変わるくらい幾つかの感染症は激減したこともこれを裏付ける証拠になると思われます。木曜日午前と金曜日午後の診察中に適宜予防接種を行っていますのでご希望の方は電話にてご予約をお願いします。

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