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こどもにとって、両親の離婚はとても大きなできごとです。
こどもがそれを乗り越えて健やかに成長していけるよう、離婚をするときに親としてあらかじめ話し合っておくべきことに、「養育費」と「親子交流(面会交流)」があります。
養育費とは、こどもが経済的・社会的に自立するまでに要する衣食住に必要な経費や教育費、医療費などです。親の養育費支払義務は、親の生活に余力がなくても自分と同じ水準の生活を保障しなければならない強い義務、生活保持義務であるとされています。
養育費は、父母が離婚する前に話し合って具体的に取り決めておくことが大切です。離婚する際に取り決めることができなかった場合、こどもを監護養育している親は、離婚後、こどもが自立するまでは、こどもと離れて暮らしている親に対していつでも養育費を請求することができます。取り決めの内容は、後日その内容について紛争が生じないように、公正証書にしておくことをお勧めします。
養育費全般については下記ホームページで案内されています。
裁判所ホームページ「養育費に関する手続き」<外部リンク>
加西市では、一定の条件を満たす方に対し、養育費確保のための支援事業を行っています。詳細については、下記問い合わせ先にご連絡ください。
加西市ホームページ「ひとり親家庭への支援 養育費に関する公正証書等作成費用等助成」
親子交流(面会交流)とは、こどもと離れて暮らしているお父さんやお母さんが、こどもと定期的または継続的に会って話をしたり一緒に遊んだりして交流することです。たとえ両親が離婚しても、こどもは父母のどちらからも愛されていると実感できることによって深い安心感と自尊心を育むことができます。
なお、離婚(別居)前に家庭内で暴力があった場合などで、相手方からDV被害を受ける恐れがあるなど、親子交流をすることがこどもの最善の利益に反する場合にまで親子交流を行う必要はありません。
法務省ホームページ「親子交流(面会交流)」<外部リンク>
父母が離婚後も適切な形でこどもの養育に関わりその責任を果たすことは、こどもの利益を確保するために重要です。
2024年(令和6年)5月に民法等改正法が成立し、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として、こどもを養育する親の責任を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールが見直されました。
この法律は、2026年(令和8年)4月1日に施行されます。改正ポイントは以下のとおりです。
父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことが明確化されます。
・こどもが心も体も元気でいられるよう育てる責任がある
・こどもの利益のために、こどもの意見にしっかりと耳を傾け、こどもの人格を尊重しなければならない
・父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを扶養する責務がある
・「扶養」の程度は、こどもが親と同程度の水準の生活を維持することができるようなもの(生活保持義務)でなければなりません。
親権(こどもの面倒をみたり、こどもの財産を管理すること)は、こどもの利益のために行使しなければならない
父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。
父母の一方が父母相互の人格尊重・協力義務に違反する場合があり、親権者の指定・変更、親権喪失・親権停止の審判等(家庭裁判所の手続)において、その違反内容が考慮される可能性があります。
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・暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷、濫訴等 ・日常的なこどもの監護に、不当に干渉する ・特段の理由なく他方に無断でこどもを転居させること ・特段の理由なく、親子交流の実施を拒むこと |
※DVや虐待から避難するために必要な場合などはこの義務に違反となりません。
父母の離婚後の親権者の定めの選択肢が広がり、単独親権または父母双方を親権者と定めることができるようになります。
【協議離婚の場合】
父母が、その協議により、単独親権(親権者は父母どちらか一方)とするか、共同親権(親権者は父母双方)とするかを定める
【父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合】
家庭裁判所がこどもの利益の観点から、単独親権とするか、共同親権とするかを定める
父母双方が親権者(共同親権)である場合の親権行使方法のルールが明確化されています。
(1)親権は父母が共同して行う
(2)親権の単独行使ができる場合
・監護教育に関する日常の行為
(例 食事や服装の決定、習い事 など)
・こどもの利益のため急迫の事情があるとき
(例 DVや虐待からの避難、緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合)
(3)特定の事項について、父母の意見が対立するとき、家庭裁判所が、親権行使者を指定することが可能になる
監護の分担、監護の権限などのルールが明確化されています。
公正証書などの債務名義がなくても、父母間で作成した文書(私文書)に基づいて、差し押さえ手続きの申立てが可能になります。
先取特権の上限額 月額8万円(こども一人あたり)
離婚時に取決めをしていなくても、一定額の養育費を請求できる「法定養育費」が新設されます。
<権利の内容>
・法定養育費の額 こども(未成年者)1人あたり 月額2万円
・改正法施行日(令和8年4月1日)以降に離婚・認知した場合に適用
<法定養育費の趣旨>
・あくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なもの
・養育費の取決めがされるまでの間、離婚時から一定額の養育費を請求することができる
・養育費算定のため、家庭裁判所が、当事者に対して収入情報の開示を命じることができる
・養育費を請求するための民事執行の手続きにおいて、地方裁判所に対する1回の申し立てで一連の手続きを申請することができる
・家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うこと(試行的実施)に関する制度を新設
・婚姻中の父母が別居している場面の親子交流のルールを明確化
・父母以外の親族(祖父母等)とこどもとの交流に関するルールを新設
・財産分与の請求期間が2年から5年に伸長
・財産分与において考慮すべき要素を明確化
・財産分与に関する裁判手続きの利便性向上
・養子縁組がされた後に、誰が親権者になるかを明確化
・養子縁組についての父母の意見対立を調整する裁判手続きを新設
本改正に関する詳細やその他見直しについて、こども家庭庁作成のポータルサイトや法務省ホームページ等で分かりやすく説明していますので、ご確認ください。
(関連リンク)
こども家庭庁作成
ひとり親家庭のためのポータルサイト<外部リンク>
法務省ホームページ
「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について<外部リンク>」
法務省作成パンフレット
「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました<外部リンク>」
裁判所
「離婚をめぐる争いから子どもを守るために」<外部リンク>
You Tube法務省チャンネル
「リコンの時に知っておきたい大切なこと」<外部リンク>
養育費バーチャルガイダンス2021<外部リンク>
法務省作成パンフレット
「こどもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」<外部リンク>