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9月2日 月曜日に、第5回かしの木学園の学習会を行いました。台風10号の動きが遅く、開催できるかどうか心配していましたが、無事、開催することができました。約80名の方が参加され、人権学習会「誰もが1人の人間として尊重される社会の実現をめざして」という演題で、加西市 地域部 人権推進課 国田 徹也 氏に講演していただきました。
はじめに、受講者に対して、人権とはどのようなものだと考えますか、という問いかけがあり、近くの人と話し合いをしました。人権という言葉は耳慣れていてわかっているつもりでしたが、あらためて問われると難しい質問でした。受講生の何人かに回答を聞いた後、講師から、人権とは、人間が人間として固有する権利、生まれながらに持っている人間として幸せに生きていくための権利といった説明がありました。人権について考えるときは、まずは、このことを認識しておく必要があるなと思いました。
続いて、加西市の人権啓発活動の例として、8月に蓮池 薫 氏を講師に迎えた人権講演会を実施したことや、まちかどフォーラムなどの住民人権学習会の開催、12月8日は人権映画会として、アスティアかさいで「大コメ騒動」を上映する予定といったお話をいただきました。
人権には女性、子ども、高齢者など色々な課題がありますが、今年度、加西市では「ネット社会における部落差別と人権」を推奨テーマとしていて、部落差別とインターネットによる人権問題を取り上げているそうです。部落差別について、現在の小中学生が学んでいる歴史教科書に載っている、室町時代から、江戸、明治、現代までの関連したページを紹介いただいた後、人権啓発映画「大切なひと」を視聴しました。インターネットで部落差別を助長するような情報を発信した学生と、これをきっかけに、自分が過去にしてしまった差別につながるような過ちに向き合う友人のお話でした。その2人が差別的であると気づいてインターネットの情報を消そうとしたけれど、消すことが出来ず、逆に第三者から誹謗中傷を受けるという場面もありました。深く考えずに差別や偏見を発信する怖さと、一度公開された情報は回収することが不可能だというネットの怖さを感じました。
最後に、人権に関わる姿勢として、人権問題は身近にあるということに気づき、正しい情報を知り、自分に出来ることを考えて行動して、誰もが互いを尊重して共に生きていくことが必要である。そのことを意識して日常生活を送ることが人権課題の解決につながるということを教えていただきました。
次回のかしの木学園は、10月7日 月曜日に、2人組の歌手、ミュンとヤヨによる特別公演「昭和世代へのメッセージ、輝いた時代を忘れない」を開催します。多くの方のご来場をお待ちしています。