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アライグマの生態
アライグマ
アライグマはカナダから中央アメリカに生息する動物で、ペットとして1970年代に日本国内へ大量に輸入され飼育され始めました。しかし、どう猛な性格、感染症を保有しやすい体質等から飼い主に捨てられ野生化し、加西市では平成15年に生息が確認され、その後急激な生息頭数の増加・生息域の拡大を見せています。
アライグマの特徴
- 体長約40~60センチメートル、体重は約4~10キログラム。寿命は約8年。年1回春に3~5頭産子
- 雑食性で夜行性。繁殖力が強く、極めて適応能力が高い。
- タヌキとよく似ていますが、尾のしま模様等で見分けがつきます。
被害の様子
雑食性で深刻な農業被害や生態系被害をもたらし、市内ではすいか、とうもろこし、ぶどう、いちご、トマト等の農作物への被害報告も多く、家屋(屋根裏、壁のすき間など)に侵入し、巣を作ってしまった例もあります。
アライグマによる感染症
- 2000年から狂犬病予防の検疫対象となっています
- レプトスピラ等の寄生虫を保有している可能性があります
- アライグマ回虫を保有している可能性があります
※アライグマ回虫とは・・今のところ日本の野生化個体からは未検出ですが、動物園での飼育個体からは検出されています。アメリカでは人体への感染に伴う死亡事例も報告されており、感染すると治療法がありません。アライグマ回虫は、アライグマに寄生し糞尿と共に虫卵が出てくるため、アライグマが糞尿を排出している可能性がある地域で、砂場で遊んでいる子どもが口をぬぐったり、川の水で顔や手を洗ったりして感染する可能性があります。
被害対策
捕獲による対策
アライグマは、繁殖力が強いため、定着・増加前の捕獲が効果的です。捕獲の方法としては、箱わなによる捕獲が適しています。ただし、捕獲には『網・わな猟狩猟免許』が必要となります。捕獲を要望される方は、農政課までご連絡ください。
電気防護柵による対策
アライグマは、手先が器用なため、目の細かいネットや金網で圃場を囲っても容易に登って侵入してきます。そのため電気防護柵による対策が有効です。
また、シカやイノシシの対策のため設置している金網柵に電気防護柵を組み合わせる方法もあります。
電気防護柵について詳しくは下記よりYouTubeでご確認ください。
アライグマ・ハクビシン対策に有効な「アライグマ新型柵」のご紹介(YouTube)<外部リンク>
アライグマ・ハクビシン+シカ対策に有効な「アライグマ新型柵~香住梨平場モデル園Ver.~」<外部リンク>(YouTube)<外部リンク>
捕獲活動をされる方へ(網・わな猟 狩猟免許所持者)
感染症を予防するために
- 捕獲した際には、どう猛な性格のため噛まれたり爪で引っ掻いたりされぬよう十分に注意してください。
- 箱わな自体も汚染されている可能性があるので、触れる際には革手袋を着用し、触れた後は手洗いによる殺菌・消毒を必ず行ってください。
箱わなに入れておくと効果的な食物
雑食性で食欲が旺盛なので人間が食物と考えるものはすべて食べますが、アライグマ捕獲にはお菓子のキャラメルコーンが効果の高いものとしてよく使用され有名です。キャラメルコーンはかりんとうでも代用できますが、ある説では捕獲効率を考えると鳥の唐揚げ、揚げパンなど油の匂いが強いものの方が誘引力が強いようです。アライグマが何を好むかは地域や時期によってまちまちのため、効果がない場合は他の食物を試してください。ドックフード、砕いたフライ麺も効果が高いようです。混獲の可能性が特に高い場所(飼い猫、飼い犬のいる民家の側など)では、バナナや蜂蜜などの植物性のものを利用してください。また箱わなの中だけではなく、箱わな周辺にも餌を置くことによりアライグマを誘引する範囲が広くなり、箱わなに入る可能性が高まります。