本文
国宝 絹本著色聖徳太子及天台高僧像
龍樹
慧思
智ギ(ギは豈に頁)
湛然
最澄
円仁
聖徳太子
名称
けんぽんちゃくしょくしょうとくたいしおよびてんだいこうそうぞう
絹本著色聖徳太子及天台高僧像
種別
絵画
指定日
明治34年8月2日
昭和28年3月31日
員数
10幅
時代
平安時代
所在地
坂本町821 法華山一乗寺(博物館に寄託)
特徴
法華山一乗寺に伝来する絹本著色聖徳太子及天台高僧像は、インドに始まり、中国での天台教学の大成を受けて、日本での天台宗確立に至る各祖師を集めた列祖像です。天台高僧九祖に 日本仏教の始祖とも言える聖徳太子を加えた十祖が描かれています。伝教大師最澄(767- 822)を描いた像としては現存最古の作品です。水銀朱や鉛丹とみられる暖色系の顔料を効果的に用いており、華麗な絵画技法が至る所に駆使されています。また、金色の金属部分を表す際に裏箔を用いる点も古様であり、総じて平安時代中期の仏画に共通する彩色技法が認められます。
10幅のうち7幅には、画中に賛文を墨書した色紙形が配されています。うち5幅の賛文は橘在列(?ー953?)が天慶9年(946)に撰した比叡山東塔法華三昧堂壁画影の画賛と一致することから、同壁画影が本絵画の重要な図像典拠の一つとなったことが有力視されています。
現在、10幅のうち灌頂像は大阪市立美術館、善無畏像、慧文像は東京国立博物館、そのほかの7幅は奈良国立博物館に寄託されています。
参考文献:谷口耕生 2016「「聖徳太子及天台高想像」の概要と本共同研究の意義」『法華山一乗寺蔵 国宝 聖徳 太子及天台高僧像 光学調査報告書ーカラー画像編ー』東京文化財研究所
※写真は奈良国立博物館寄託の七幅 撮影:株式会社 文化財保存