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教育長雑感 「日々是好日」〈29〉

記事ID:0025254 更新日:2022年3月24日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 <外部リンク>

子どもの身の丈の日常

とんどで燃えている竹を見る人々の様子

令和4年3月24日

3月の定例市議会が閉会となりました。
今回の議会では、「未来の学校構想」や「小中学校の給食費無償化」「0~2歳児の保育料無償化」「コロナ対策」など、教育委員会所管の問題も多く、市議会議員さんからの質問も大変多かったように思いました。ぜひ、加西市議会のHPのインターネット中継の録画中継でご確認いただければと思います。

実際のところ、何かにつけて、私が市内の小規模小学校の出身だというイメージが強調されて語られることが多いのですが、私には小規模校出身という意識はなく、常に、「加西市の教育長」だと強く自認しています。その上で、議会の一般質問にも答弁させていただきました。

私は確かに、市内で一番小規模の小学校に6年間通い、その後、東京で長い間出版の仕事に携わってきましたが、自分が小規模小学校出身だからコミュニケーション能力が劣るとか、ソーシャルスキルが育たなかったと感じたことは一度もありません。コミュニケーションの得手、不得手は、学校や学級の大小で決まるものではないと考えています。むしろ小学校が小規模だったからこそ、一人ひとりがクラスメートの個性を理解して、のびのびと個性を発揮し、自分なりのコミュニケーション力を発揮する機会も多かったと記憶しています。

学力に関しても、国立教育政策研究所などが研究発表していますが、小規模小学校のほうが国語、算数ともに学力が高い。中学校でも、20人~25人のクラスのほうが40 人学級と比べて平均点が高かったとされています。
教師や、地域の人たちが、一人ひとりの子どもにきめ細かく接し、教えあい学び合うこともしっかりできていたのだろうと思います。

加西市は、これまで、小学校教育において、地域に根差した教育を大切にし、成果をあげてきました。昨年からは、そこにSTEAM教育を導入。各小学校ならではの風土や歴史、産業などに目を向け、だれ一人取り残さない21世紀の新しい教育手法によって、20年、30年後の「郷土を愛し、豊かに未来を拓く加西市民」を育てようとしています。そして、そうしたビジョンに基づいて、「未来の学校構想検討委員会」に素案を提出しました。

小学校は、地域コミュニティーの核であり、絆としての役割を果たしてきたと思っています。加西市はのどかなだけではない。STEAM教育を中核に据えて、21世紀の新しい教育に、先進的に取り組んでいきます。「ふるさと」とは、漠然とした広い地域を指す言葉ではありません。皆さんの子どもの頃を思い出してもらえばすぐわかるように、「兔追いしかの山、小鮒釣りしかの川」が、子どもたちの「ふるさと」です。子どもの身の丈の日常の中に「ふるさと」は息づいています。それを大切にすることが、教育の使命だと私は思っています。

少子化という厳しい現実を受け止めながらも、教職員の「困り感」に寄り添い、各校区の地域の皆さんに「自分ごと」として共に考え、行動していただけるように、ふるさとを愛する心の醸成に努め、教育環境の整備に務めたいと思います。

加西市教育長 民輪 めぐみ

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