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令和4年1月20日
2022年が明けて、あっという間に2週間が過ぎてしまいました。加西市役所で「仕事始め」を迎えるのは2回目ですが、じつは昨年は、お正月休みがあまりに短いので、がっかりしました(笑)前職では、普段はモーレツに働いているのだから、夏休みと冬休みくらいはたっぷり。2週間近く休んでいた癖が抜けきれず、正月三ヵ日が明けたらもう仕事、という「日本の公務員はホンマに大変やなあ」「せめてもうちょっと休ませてあげてよ・・・」とため息をついたのでした。
たとえばアメリカでの冬休みは、気分的には11月下旬のサンクスギビング(Thanksgiving=感謝祭)から始まって、12月25日のクリスマスの後に終わります。この時期に、たとえばニューヨークの美術館などと仕事の連絡を取ろうとすると、結構泣かされます。美術館は開館していても、担当者は捕まらない。たいていお休みを取っています。一応、12月31日の大晦日は夕方まで仕事をして、若者たちはタイムズスクエアなどに集まってカウントダウンをして新年を迎えます。公休は1月1日だけです。キリスト教国にとっては、お正月よりもクリスマスのほうが圧倒的に重要だからですね。
数年前に、久しぶりにパリで年越ししましたが、友だちに「シャンゼリゼ通り辺りは危険だから、年寄りは行っちゃダメ」と外出を禁じられ、渋々家の中で、ワインを飲みながら日仏合同オジオバのイヤーエンドパーティ。若いころには平気でシャンパンを片手に凱旋門広場に繰り出して、広場を埋め尽くすパリジャンやパリジェンヌ、外国からの観光客たちとカウントダウン。この時ばかりは無礼講で、近くにいる人のだれにキスしてよく、コロナの心配もなく、みんな若かった。。。
パリの友人に言わせると、「日本人は異常だ!」。異常だといわれるテーマは「休み」です。フランスの有給休暇は年間30~40日で、有給休暇取得率は100%。スペイン、ドイツ、ブラジルなども100%です。これに比べて、日本人の有給休暇取得率は2018年のデータで、3年連続世界最下位(50%)。取得日数も世界最下位で10日(年間20日のうち)です。。。有給取得率も取得日数も日本と同じように低かった韓国は、どちらも徐々に良くなり、年間15日のうち14日取得。取得率は93%になりました。世界各国、隣国に比しても、日本の働き方改革はまだまだ進んでいませんよねえ。
ともあれ、1月4日の朝8時30分。1階の多目的広場に市の職員を集めて、西村加西市長の訓示から2022年の公務が始まりました。
ちょっと驚いたのは、西村市長が、かなりの時間をとって、教育委員会が推進しようとしている「STEAM教育」について以下のように語られたことです。
おかげさまで加西市へのふるさと納税は12月31日現在で60億円を上回る見通しが立ち、徐々に「良いな」と思う施策が実行できる状態になってきました。
教育長が「加西STEAM」を提唱されており、私にも次々と本を渡されまして、その中に「世界を変えるSTEAM人材」(朝日新書)という一冊がありました。これを読んで、私には「STEAM」がストンと胸に落ちました。STEAMの目的は「人間を尊重する」ヒューマニズムである、「人間を幸福にすることである」という。これなら、私はやってみたい、と思いました。
STEAMを語るキーワードで重要なのは、(21世紀の新しい)ヒューマニズム、そしてイノベーションとデザインです。イノベーションは変革。デザインは、僕の解釈では「どんどん越境していく」「境界をこえていく」ということだと思います。
STEAMの説明をすれば「サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング……」となるのですが、じつは私は、いつも「STEAMは21世紀の新しいヒューマニズムなんだ!」と叫びたかったのです。
それを年頭の訓示で高らかに表明してくださった西村市長、ブラボーです。