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令和3年12月2日
11月23日の午後、STEAM Fes. in KASAI Vol.1「ONEDAY STEAM」と名付けた催しがアスティアかさい3階の地域交流センターで開かれました。主催してくれたのは加西市立図書館ですが、教育総務課、学校教育課はもちろん、教育委員会事務局総出のイベントとなりました。当日会場に行くと、ライブ発信しているブースには現役の学校教師の姿、講師となって参加してくれている市長部局の職員もいて、準備段階から部署の垣根を越えた自由で前向きな空気に包まれていました。
STEAMの意味をこのエッセイでいまさら説明する必要はないかと思いますが、まだまだ「最新テクノロジーの活用を促す理数系のエリート教育」というイメージを持っている方も多いようです。しかし、私が目指す「加西STEAM」は、それとは対極にあります。もちろん、結果的にプログラミングなどはスイスイできるように、知識や方法論はマスターしなければいけません。でも、「加西STEAM」が目指しているのは、この豊かな歴史や自然を有している加西市で、誰ひとり取り残すことなく、自分の未来を夢見、みんなで協働してそれを実現しようとする子どもの育成です。
何度も繰り返しますが、今、世界は激変しています。ちなみに、「明日からは大変寒くなる」という予報は、スーパーコンピュータが数百キロ四方の雲の動きを正確にキャッチし、膨大なデータを使って分析して出しています。私たちはAIと対抗するのではなく、すでにAIと共存しながら生きています。
「ONEDAY STEAM」の会場に来て、ドローンやマイクロビット、マインクラフトなどのプログラミングに挑戦してくれたのは25組、計50人の親子でした。
じつはこの参加申し込みはたいへん狭き門で、受付開始5分でいっぱいになったと後で聞きました。会場には見学に来てくださった方々を含めて100名以上が参加、当日の様子等を中継し記録したYouTubeの視聴回数は11月末で380回に上りました。
会場の子どもたちはあと10年もすると社会に出ます。その時、社会はどうなっているでしょうか。社会はこの子たちに何を求めるでしょうか? そして、今、この子たちにはどんな教育が必要でしょうか?
その模索と提案の一つのカタチが、この「ONEDAY STEAM」です。人間が生み出した最新機器を使って、一人ひとりの個性と潜在能力を伸ばす。児童・生徒が中心の学びの場を実現しなくてはならない。
興味津々、瞳をキラキラさせながらのびのびと、そして真剣にプログラミングに取り組んでいる子どもたちの笑顔が、この試みを後押ししてくれていると実感した、楽しい一日でした。