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教育長雑感 「日々是好日」〈20〉

記事ID:0022049 更新日:2021年11月11日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 <外部リンク>

2021年のトライやる・ウィーク

中学校で講演をする臼井真さん

令和3年11月11日

県内の中学2年生が、それぞれの地域や企業に出むいて職場体験をしたり、福祉体験をしたりする「トライやる・ウィーク」は、1998年から25年も続けられており、現在40歳以下の人なら、ほぼ全員が体験していると思います。これは、兵庫県が1995年の阪神・淡路大震災や、1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件を機に、1998年度から実施し始めました。トライやる「ウィーク」というからには、1週間の職場体験などを通して、地域について学び、視野を広げて「生きる力」を育むことを目的としています。

ところがここ2年、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、県内9割以上の中学校が期間を1~3日に短縮することを余儀なくされました。加西市でも昨年と今年は「ウィーク」を「デー」に変えて、1日限定で行われました。午前中は地域の公民館などのごみ拾いや草引き、午後は社会経験豊かな地域の講師などの話を聞いて社会勉強をした中学校もありました。

11月6日(土曜日)午前10時、泉中学校の体育館では、神戸市の元小学校教諭・臼井 真さんを講師に招いて、「ふるさとの祭典記念講演会~しあわせ運べるように~」と題した「トライやる・デー」の催しが始まりました。泉中の2年生の今年のテーマは「いのちをつなぐ」。この日までにも「いのちを吹き込もう」「いのちを見つめる」などをサブテーマに鶉野飛行場の見学などをしており、この日の「いのち輝く」が総仕上げです。

じつは、この催しは北部公民館のシニアカレッジ「かしの木学園」と合同の企画でした。「かしの木学園」は、60歳以上の方を対象に環境や健康、歴史など、年間10回の講座を通して、共に学び、親睦を深め、仲間づくり・生きがいづくりを目指しています。北部公民館の館長が、元泉中学校の校長先生だったこともあり、この日、地域のお年寄りと中学生が共に学び合うプログラムが実現したのです。大きな拍手に包まれて壇上に登られた臼井さんは今春、神戸の市立小学校の音楽教諭を定年退職され、神戸親和女子大学の准教授として再出発されました。

♪地震にも 負けない 強い心をもって
亡くなった方々のぶんも 毎日を 大切に 生きてゆこう♪

25年前、神戸市の吾妻小学校にお勤めだった臼井先生は、阪神・淡路大震災から半月後に、瓦礫となった神戸の街を歩きながら、突き上げられるような思いで「幸せ運べるように」を作詞・作曲なさったそうです。

高校時代にはシンガーソングライターを目指し、大学卒業後、渋々音楽教師になった。そして阪神・淡路大震災。自宅の1階はぐしゃぐしゃに押しつぶされた。もし地震の5分前に2階に上がっていなかったら、自分も生き埋めになったまま死んでいただろう。生かされた自分。自分にできることを、精いっぱいやっていこう。「幸せ運べるように」が多くの人を励ましたように、音楽は時間の壁を超えられる。子どもたちしかもっていない清らかな心を音楽で表現しよう。臼井先生が子どもたちのために作詞作曲した曲は26年間で400曲をこえました。

会場の中学生たちにとっては、阪神・淡路大震災は自分たちが生まれる前に起きた「歴史」です。一方、「かしの木学園」の受講生にとってそれは、つい先日の悪夢のような「記憶」です。けれども、50歳以上の歳の差をこえて、臼井先生の合唱曲に心洗われ、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に涙を流したこの日の体験を、14歳の彼らは忘れないだろうと思います。

加西市教育長 民輪 めぐみ

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