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教育長雑感 「日々是好日」〈10〉

記事ID:0020158 更新日:2021年9月2日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 <外部リンク>

日本の教育は世界に取り残されているの?

学校の花壇と校庭の写真

令和3年9月2日

お盆明けの午後、加西市の小・中学校の若手や中堅の先生方に集まっていただき、「加西市の教育のあり方学習会」を開催しました。
「学校のあり方検討会」ではなく、あくまで「教育のあり方勉強会」だったのですが、なかには「小・中学校の統廃合が議題に上がるんだろう」と緊張して、参加した人もいたようです。

これがどう違うのかと言えば「学校のあり方」は、人口減少や少子化に伴って、どんどん小規模化している学校という器(学校の規模や建物)をどうするのか、を検討しようというものです。私たちは、喫緊のこの課題も抱えています。
これに対して「教育のあり方」は、AIやロボットと共存しながら、20年後のシンギュラリティ(人工知能AIが人類の知能を超えるとされる転換点)の後も、働き盛りの人材として生きていかなければならない子どもたちに、今、どのような教育をするべきなのか、を一緒に考えようというものです。
 
かつて私がいた出版界では、「日本の教育は、世界の1周遅れ」などと言われていました。たとえば、日本では、競争原理が教育を向上させると信じられていますが、じつは競争原理は、一部の“勝ち組”には意味があっても、それで学力が向上するというのは間違った刷り込みだ。むしろ“落ちこぼれる子ども”を大量生産する。大事なのは、それぞれの子どもが自分の目標をかかげて、それに向かって進み、成功体験を積み重ねること。成功体験こそが自己肯定感につながり、その積み重ねが学力を高めるのだ、というのが世界の常識になっています。

20年以上教員をしたのち教育評論家になった尾木直樹(おぎなおき・愛称尾木ママ)さんは、「日本の教育がおかしい」「日本の教育は世界に取り残され、国際順位も下落する一方です。アジアの中でも、すでにトップクラスではありません。ところが、いまだに東大信仰は根強く、国際的にも、またビジネスにおいても役に立たない暗記型の受験競争を続ける日本。このままでは、子どもたちは『世界の後進国の教育』に埋もれて未来を失ってしまいます」(『取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと』)で、こう語っています。

また、OECD(経済協力開発機構)の教育スキル局長も「ペーパーテストの点数ではなく、状況を分析し、他人に論理的に説明し、情報を批判的に捉える能力、さまざまな分野の知識をつなぎ合わせて、問題を解決に導いていく能力」が求められていると言っています。それを身につけられる教育が、いま求められているのです。

かつて私がいた出版界と、教育界、教育委員会のありようは全く違います。それをわかりつつ、私は、教育現場の優秀で、実績のある先生がたに、「あなたたちの頭の中にある『教育』という『初期設定』を疑ってほしい」と言い続けています。たとえば、子どもたちは各々成長のスピードも、個性も違うのに、「1年生には1年生で、2年生では2年生で教えてやらなければならない授業内容がある」と、いったい誰が決めたんでしょうか?

「初期設定」を疑う。これは、「言うは易し」の典型で、とてもとても難しいことです。これまで「当然」というより、むしろそれを目指し、目標としてきた教師像や教育のあり方を、いま、もう一度、ニュートラルにしてほしい。むしろ、自分がいいと思う真反対のことが成り立つ余地はないのか、いま一度考えてみて欲しい、と私は言っているわけですから、これは今までの自分を否定してくれと言っているような、とても不遜なことだと思っています。

この勉強会に集まってくださった先生方は、まさに今の、そして明日の、加西市の教育の担い手です。私は直接出会って話し合えるのを、本当に心待ちにしていました。ご一緒に、オープンな心で、虚心坦懐に、加西市の「教育」を語り合い、見つめ直したい。その気持ちは通じたと信じています。

加西市教育長 民輪 めぐみ

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