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教育長雑感 「日々是好日」〈6〉

記事ID:0019338 更新日:2021年8月2日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 <外部リンク>

これ、ほんとうに学校のトイレですか?

ここのえ緑陽中学校のトイレの内観の写真

令和3年8月2日

加西市の学校の「ありたい姿」を検討するために、教育委員さんや教育委員会事務局スタッフと、何か所か視察に行かせていただきました。この春、大分県九重町立「ここのえ緑陽中学校」を訪れたときのことです。九重町は別府市の南西、九重連山の北に位置する人口9000人の町です。平成25年4月に、それまで4校あった中学校は一つに統合されました。

小型バスは、新鳥栖駅から新緑の山並みを縫って東に走り九重町へ。町の中心に位置する小高い丘の中腹に停まりました。「え、ここはどこ? これが訪問する中学校なの? それとも美術館か?」その建物の外観はコンクリート打ちっぱなし。山深い温泉町のイメージを払拭するモダンな佇まいです。ここが、世界的な建築家・磯崎新さんの故郷、大分県であることを実感させられます。そして確かにその建物は、視察目的の「九重町立ここのえ緑陽中学校」でした。私は、しばしその校舎を眺め続けました。

快い驚きに心揺さぶられつつ校内に入りました。建物内は、壁にも廊下にも地元産の杉材がふんだんに使われ、ぬくもりと落ち着きに包まれていました。何よりびっくりしたのはトイレです。デザインの勝利ですね。このトイレなら、生徒はみんな競って清潔にお掃除したくなるはずでしょう。この中学校を実現させた前教育長は、中学校を一つに統合するからには「日本一の中学校を建てる」、と決意したとおっしゃいました。うーん、自分の考えを先取りしている人は、いるもんなんだなあ、と私はうなりました。

校長先生は女性でした。どんな問題が起きても、教師が先に解決策を指し示すことはしない。通学の靴の色を決めるにも、生徒たちが納得のいく答えを探し出すまで何度でも議論させる。「自分たちの自治によって学校は成り立っている」自覚を持ってほしいから、とおっしゃいます。

「新しいぶどう酒は新しい革袋に」と言われる通り、新しい酒を古い革袋に入れれば、ぶどう酒もだめになり、革袋も破れます。新しいビジョン、新しい生き方を表現するためには新しい様式が必要だ、ということを、阿蘇の山あいの町で実現するには、相当高いハードルがあったことでしょう。それを乗り越えて、小学生たちが「早くあの中学校に行きたい」と憧れる「統合」を実現された見識に、私は文句なしに敬意を表します。

加西市教育長 民輪 めぐみ

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