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令和3年7月28日
「スティーム? それ、蒸気の出るアイロンか?」と言われました…と、担当が苦笑していましたが、「STEAM教育」とは、文部科学省と経済産業省が数年前から力を入れて推進している先端教育の一つです。2020年からは小学校で、21年からは中学校でプログラミング教育も始まり、STEAM教育にも注目が集まっています。
加西市教育委員会は、各小・中学校で、近隣に先駆けてSTEAM教育の準備を始めました。県下の高校では数校が始めていますが、教育委員会が発案して義務教育で取り組むのは加西市が兵庫県初だと思います。STEAMのSはサイエンス(科学)、Tはテクノロジー(技術)、Eはエンジニアリング(工学技術)およびイングリッシュ(英語)、Aはアーツ(芸術を含むリベラルアーツ)、Mはマスマテックス(数学)の頭文字です。アメリカのオバマ大統領時代に創案されました。
じつは、令和2年度の加西市の新生児数は190人でした。2015年は287人でしたから、5年で100人近くも減少していることになります。7年後に、この赤ちゃんたちが11ある加西市の小学校に分散して入学します。単純計算すると1校17人です。突発的なコロナ禍ということを差し引いても、これは危機的な数字だと思います。
「教育はまちづくり」と言われますが、本気で、子育て世代に「加西市に住んで教育を受けさせたい」と「選ばれる教育」をしなくてはならない。教育の質を確保することで、一人でも市内の児童、生徒数を増やしたい。これは、教育界にとっても待ったなしの課題です。
人口減少に悩んでいるのは日本全国、そして中央省庁も同じです。誰もが本気で教育イノベーションの必要性を感じています。その具体案の一つがSTEAM教育の推進だと思っています。
義務教育では兵庫県初となる先端教育を、加西市の全小中学校に導入する。それによって、自然の中で人間性豊かに骨太に育ちつつ、同時にSTEAM教育で、加西っ子に論理的な文理融合の感覚をゲットしてほしい。STEAM教育は、小規模な地方都市である加西市だからこそ可能な、未来のまちづくりへの挑戦だと思っています。