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平成29年度 市長施政方針(平成29年3月 市議会3月定例会において)

はじめに

本日、第264回加西市議会定例会の開会に際し、お時間をいただき、平成29年度の予算をはじめとする諸案件の審議をお願いするにあたり、新年度の市政運営に臨む所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご賛同を賜りたいと存じます。

昨年は4月の熊本地震や10月の鳥取県中部地震、さらには8月から9月にかけての北海道や東北への度重なる台風の上陸など、大きな自然災害が多く発生した1年でありました。犠牲となられた方々に対して謹んで哀悼の意を表し、被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の皆さまが1日も早く元の暮らしを取り戻されることをお祈り申し上げます。
これら自然災害は、東日本大震災から5年余りが経過し、災害に対する危機意識が薄れかけていた我々に大きな危機感を与えることとなりました。
私の政治家としての出発もまさに東日本大震災と共に始まりました。復興と加西市再生は同時進行であるという気持ちを持ち続けているところでございます。
加西市におきましては、これら自然災害の教訓を踏まえ、自然災害から市民の安全を守るため「ふるさと創造会議」などの地域コミュニティを活かした地域防災力の向上に努め、災害に強いまちづくりに向けた取組を一層進めてまいります。

さて、ご承知のとおり、依然東京一極集中に歯止めがかかっておりません。総務省が1月に公表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告によりますと、東京圏の転入超過数が11万7,868人で、5年ぶりに減少したものの、21年連続の転入超過となっております。さらに、東京オリンピック開催に向けてヒトもモノもカネも一層東京圏に集中している状況を踏まえますと、東京一極集中は是正されるどころか、むしろ今後加速していくものと思われます。
このような状況の中、地方創生の名の下、地方では地域間でのヒトとモノとカネの奪い合いになってしまう可能性が大きくなっております。しかし、本当の意味での地方創生は、自分の地域にしかない様々な資源を掘り起しながら「自らの地域でしかできないことを考える」ことであると考えております。
加西市におきましては、私が市長に就任して以来「5万人都市再生」という明確な数値目標を国に先んじて掲げ、取組を進めてまいりました。依然として人口減少傾向は続いてはいるものの、近隣市町への転出超過の状況が改善し、平成28年度においては4月から12月までの転入超過数が74人と平成5年以来の転入超過の状況となっております。これは、まず社会増により特に子育て世代の女性の確保を図り、後に出生者数を増加させ2040年に5万人をめざす「加西市地域創生戦略」の方向性を踏まえ、定住支援や子育て支援に積極的に取組んできた成果の表れであると考えております。
今後は、本当の意味での地方創生を実現するため、人口増に直結するこのような様々な施策を講じながら、同時に播磨国風土記や鶉野飛行場跡地など地域で育まれた歴史文化遺産の活用などにより、独自の魅力や価値を高め、加西市だからこそできる取組を一層進めていく必要があると考えております。そのためには市政への信頼をさらに高め、市民の気持ちをひとつにしなければなりません。そのことによりこの加西市に誇りや愛着を抱く「シビックプライドの醸成」を図る地域づくり、人づくりを進め、「住みたい、住み続けたい」と思われるようなまちづくりを進めてまいります。

今年加西市は、市制50周年という大きな節目の年を迎えます。昭和42年、県下21番目の市として誕生した加西市は、ふるさとの発展を願う数多くの先人たちの弛まぬ努力により、この50年間歩みを止めることなく発展を続けてまいりました。市としては生まれてまだ50年ですが、播磨国風土記の記述にもあるように、この地域は古くから人々の生活や文化が営まれ、人やものの交流の拠点として栄えてまいりました。
このように、いにしえの時代から営々と栄えてきたふるさと加西の50年を振り返り、本年を新たなスタート地点として、50年後を視野に入れ、市民が希望を持って心豊かに暮らすことができる持続可能なまちとするため、「ともに創り、ともに育む」というスローガンを高く掲げ、市民の皆さまと一緒に全力で取組んでまいりたいと考えております。

予算編成の基本方針

それでは、平成29年度における予算編成にあたっての基本方針をご説明いたします。
加西市は、全国に先駆けていち早くふるさと創生に取り組んできましたが、第5次加西市総合計画の後期基本計画及び加西市地域創生戦略に基づき、これまで以上に、地域に潜在する資源を引き出し、活力を生み出すことにより人口減少に歯止めをかけ、子育て世代の人口流入を促進しなければなりません。「5万人都市の再生」に向け、従来の基本方針である5本柱「住民主体のまちづくり・人づくりの推進」「産業振興と地域ブランド力の強化」「子育て支援の充実と教育環境の整備」「健康づくりと福祉の充実」「都市基盤づくりと定住促進」を継続しつつ、将来にわたり市民が希望を持って心豊かに暮らすことのできる、持続可能な都市の実現に邁進してまいります。
その際、制度が大幅に拡充され、全国から多額の寄付金を受け入れしている「ふるさと納税」を具体的な施策の実行の財源として活用をしてまいります。
あわせて、真に有効な事業を吟味・厳選し、予算配分の重点化、効率化を図りながら、地域創生の強力な推進に努めます。平成29年度においても、公債費の抑制や財政調整基金の確保に努め、財政規律と健全な財政運営を守るという方針により予算編成を行ってまいりました。

新年度の主要な施策

これらの5つの基本方針によりまして、新年度に取り組む主要な施策を、総合計画に掲げる基本政策に沿って申し上げます。

1 子どもが元気に育ちいきいきと活動する加西

まず、「子どもが元気に育ちいきいきと活動する加西」をめざす施策であります。
子ども達の学び舎である学校施設の整備事業としまして、加西中学校プール改築工事と特別支援学校温水プール改修工事を行います。また、学校給食施設整備事業では、老朽化の進んだ南部学校給食センターの改築工事設計に着手し、平成31年4月の稼働を目指します。
次に、学校教育の充実としまして、3月末に告示される予定の次期学習指導要領への対応として、各学校が創意工夫を凝らし魅力ある学校づくりを進める「学校づくり応援事業」のさらなる充実を図るとともに、外国語指導助手(ALT)の配置に加えて、オンライン英会話を新たにモデル実施します。そして、昨年度に引き続き、WEBを利用した「学習支援システム」の活用や学校図書館の蔵書数の充実を図るとともに、スクールアシスタント、ヤングアドバイザー等の拡充により、個に応じた子ども達の学びを支援するなど学力向上に努めます。また、「体力向上プロジェクト事業」により、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果等をもとに、かさいっ子の現状や課題を分析し、体力・運動能力の向上をめざします。さらに、家庭・地域との一層の連携のもと、義務教育9年間を見通した小中連携を積極的に進めるとともに、保幼小連携・交流のさらなる充実を図ります。
生涯学習としましては、青少年向けスポーツ教室、子どもや家族向け講座・イベントの開催など、生涯学習活動を推進するとともに、公民館・オークタウン加西の施設整備を順次進めます。
加西市立図書館では、学校との連携による学校図書館コーディネート事業を充実し、子ども達の読書活動を支援します。また、市民のリクエストをできるだけ反映させた蔵書とイベントの充実に努めます。

2 雇用と経済が元気を取り戻す加西

次に「雇用と経済が元気を取り戻す加西」をめざす施策であります。
「加西市ふるさとハローワーク」による就職支援に加え、兵庫労働局と締結した県内初の「雇用対策協定」に基づき、労働局と連携して雇用対策を推進し、雇用・労働環境の改善に取り組みます。
平成28年度策定の「加西市産業振興計画」により、市内産業の振興に係る基本的な方向性と具体的な施策を示し、将来にわたって持続可能な地域経済の活性化を図ってまいります。
また、平成29年度末に予定されているビジネスホテルの開業を契機として、さらなる街の賑わいの創出を図ってまいります。
加西商工会議所とともに、市内事業所への支援に関する情報発信及び各種相談や創業支援を行う総合窓口を設置することにより、中小企業・小規模事業者対策へのさらなる取組を進めます。
農業振興策では、担い手の確保と育成を中心に施策を推進してまいります。新規就農者や若手農業者への支援をさらに強化するため、JA兵庫みらい、加西農業改良普及センター、農業委員会と連携を図り、新たに新規就農促進協議会を設置し、また、「人・農地プラン」の策定と更新を促し、中間管理事業も活用するとともに、認定農業者及び集落営農組織への機械施設整備補助を拡充することにより、担い手への農地の集積を引き続き進めます。
農村集落の維持・向上のため、地域住民と協働し多面的機能支払制度を最大限活用していきます。また老朽化したため池の改修やほ場整備事業を推進します。
特産農産物の生産振興では、ブドウ棚の新設・改修や苗の改植などへの支援、トマトやイチゴなど施設園芸の新技術導入や設備増強など支援事業の他、加西ブランド協議会においてJA・商工会議所と協力しながら、加西の酒のPR、カレーなど加西産農産物を使った加工品の普及開発と農商工の連携を推進します。
また、生態系や農林業に深刻な被害を及ぼしている有害鳥獣対策として、抜本的な捕獲強化に向け、新たに有害鳥獣捕獲専任班の設置や、地域における有害捕獲事業を支える担い手の育成・確保のため、狩猟免許新規取得者に対し、取得に係る経費補助制度を創設します。
次に加西市に住み、定住できる基盤を整えるため、市街化調整区域では、引き続き、特別指定区域制度や地区計画制度を活用し、課題解決に即した建築規制の緩和に努めます。
新たな産業団地候補地について、まずは、市街化調整区域に存する繁昌町の国道372号線沿道の既存工場の集積地を含めた一体の土地について、市街化区域編入手続きを進めます。そして、加西インターチェンジ周辺地域は遠方からのアクセスが良好で、インターが接する主要地方道多可北条線を使用し大規模な工場が立地する姫路市や加古川市、高砂市、加東市へアクセス至便な位置にあることから、工場、商業、運送事業所に適した産業施設用地として必要な交通利便性に優れた場所であります。今後はこの地域において、工業、商業、農業をバランス良く整備することにより、新たな雇用機会を生み出すまちづくりを進めます。
「ベルデしもさと」は大成功でした。早々に新しい自治会が立ち上がり、市内初の女性区長も誕生しました。今後の加西市発展の基礎となる人口増モデルに成ることは間違いありません。その発展系として、尾崎町北条高校前地区において、自治会、行政、民間の3者協働による宅地分譲事業を進めます。また、宇仁地区における新規居住者の住宅区域などの特別指定区域の見直しや宇仁小学校グラウンド跡地の土地利用計画策定に向けた住民主体のまちづくりに対し支援を行い、さらなる定住化の促進を図ります。これら小学校を意識した新しいまちづくりを全市的に展開できるよう各ふるさと創造会議との協議を始めます。
市街化区域については、高い生活利便性に加え、土地の持つ地質や形状、風土などを活かしつつ、北条12区を中心とした旧市街地の住環境整備と土地活用の促進をめざし、引き続き、官民境界等先行調査の実施に併せ、住民と行政の協働のまちづくりを進めてまいります。
一方、組合施行である西高室土地区画整理事業については、保留地販売が既に75%売約済みで順調に推移しています。引き続き、良好な住宅地の整備と、事業の早期完了に向けてさらなる支援を行います。中野地区九会小学校西側においては、未利用地の活用を図るため、約11haの用途地域の変更を図り、良好な住宅地の整備と新たな企業立地を推進します。また、地元からの要望の強い、地籍調査事業も加速化させてまいります。
同時に、若者定住促進住宅補助制度の活用を促進し、若者世帯が市内に一戸建て住宅等を建築・購入しやすい環境を整えます。また、若年世帯の市内への転入を促すために、新婚世帯向け家賃補助を継続して実施いたします。
公共交通に関しましては、加西市公共交通総合連携計画に基づき、北条鉄道・路線バス・コミュニティバスが一体となった交通網を確立し、地域主体型交通の導入を含め、活発な交流に基づく地域の活性化につなげます。
観光につきましては、市民のおもてなしの心の醸成と、積極的な観光PRを行い、加西市への交流人口の拡大を図ります。
平成25年から実施しています播磨国風土記事業につきましては、一過性のものとしないために、観光まちづくり協会事業として継承してまいります。新作能や新作狂言は、今後も、地元の子ども達による「こども狂言塾」事業として継続し、4月29日の市制50周年記念式典や5月4日に開催予定のプロの能楽師も招いた加西能などにおいて披露いたします。
また、義士親善友好都市交流会議、いわゆる忠臣蔵サミットを、11月10日、11日に、平成14年以来15年ぶりに加西市において開催いたします。この機会を捉え、かつて赤穂藩領の飛び地であった加西市を、赤穂義士ゆかりの地として積極的にPRしていきます。
市内の道路網整備については、国道、県道及び西谷坂元線等の幹線市道整備と集落道路の改良工事を計画的に実施してまいります。
特に、現在、県・地元役員等と検討を進めている「国道372号バイパス整備構想」の早期の事業着手、また、鶉野飛行場跡地周辺地区の利活用を促進するための(仮称)市道鶉野飛行場線の整備についても引き続き積極的に事業を推進してまいります。
老朽化した市道や市道に付属する道路施設の維持・修繕工事について、通学路を重点的に地元要望に迅速に対応した整備を行ってまいります。
鶉野飛行場跡地及び周囲の戦争遺産を一体として観光整備し、市内外観光客と地域住民の交流の場を創出するため、本年度は、都市再生整備計画に基づき、防災拠点広場の整備や遊歩道整備を進めます。
また、「歴史と平和を継承するまち」の拠点施設として、地方創生推進交付金を活用し、「加西市鶉野ミュージアム(仮称)」の基本設計に取り組むとともに、当時を振り返り未来への平和を学び願うことが出来るよう、魅力的な展示物を整備して参ります。
また、「歴史文化基本構想」を策定し、郷土の歴史や文化を活用し、加西の知名度を上げるとともに、市民に向けて、郷土に対する愛着や誇りを育む取組を進めてまいります。

3 誰もがみんな元気で安心して暮らせる加西

三つ目に、「誰もがみんな元気で安心して暮らせる加西」であります。
子育て支援施策として、平成24年度から実施している中学3年生までの子どもの医療費無料化、平成28年度から実施した4、5歳児の保育料の無料化を継続し、子育て世代の支援をいたします。
就学前教育については、地域の子育て支援の拠点施設として質の高い幼児教育と保育の一体的な提供を行う認定こども園を整備し、保育士・教諭の資質や専門性を高めた職員配置のもとに3歳からの幼児教育を進め、特別支援教育の充実を図ります。平成29年度には、九会幼児園と別府幼児園を統合した加西こども園を開設するほか、その後、北条幼稚園と北条西保育所を統合し、平成30年度の開設に向け、(仮称)北条西こども園の整備を進めます。泉中学校区においても充分議論を重ねながら、早い時期に結論を出して行きたいと考えています。政治生命のかかった課題ですが、幼保施設を再編することで、幼保一体型認定こども園の施設整備を市内全域に展開し子育て環境を充実していきます。
また、保・幼・小連携による情動知能の育成を図る「STARTプログラム」を引き続き進めていきます。さらに、子育て情報の積極的な発信に努めつつ、子育て相談や各種支援の充実を図り、子育て世帯の安心を実現します。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の施行とともに、障がい者に対する施策の方向性は現金給付から現物給付へと転換し、障がい者の日常生活や社会参加を支える直接のサービスの提供や環境の整備が積極的に図られ、一定の整備が進んでまいりました。
そこで、一定の役割を終えた「加西市心身障害者養護年金」を廃止し、新たに「(仮称)加西市障害者福祉年金」を創設して障がい者の生活の向上を支援するとともに、精神障がい者への医療費助成の拡大を行うほか、社会参加を促進するためのサービスの充実を図ってまいります。
また、障がいのある人たちが、自らの力を発揮して地域で暮らし、社会参加を果たしていくことができるよう就労支援を含めた相談・支援機能の充実を図るとともに、新たに協議会を立ち上げ、サービスや支援施策の充実に向けて議論を深めていきます。
特に、手話言語条例の制定を受け、手話についての理解と普及を推進するとともに、聴覚障がい者の方々が暮らしやすい環境づくりに向け取り組んでまいります。
生活困窮者に対しては、総合的な相談支援事業に加え、就労準備支援事業を行い、就労困難な方への仕事の体験を通じて一般就労への支援を地元民間企業の協力を得ながら行っています。
また、家庭の経済格差や子どもの学力格差などにより貧困の連鎖が起きないように、課題を解決する一つの方法として生活困窮家庭等の子どもを対象に、学習支援事業を実施するとともに、平成29年度からは、ひきこもり対策事業を実施し、就労準備支援や学習支援へつなげる支援を行います。
子育て家庭の負担軽減を図るためファミリーサポートクラブ会員の増加に向けて交流会等の充実を図るとともに、短期支援事業を拡充します。さらに、ひとり親家庭に対する就労促進のための資格取得の支援を拡充します。
また、ドメスティック・バイオレンス対策については、引き続き相談しやすい窓口づくりと関係機関との連携強化を図りながら、迅速な被害者保護と被害者の安全確保に努めてまいります。
次に、健康づくりにつきましては、生活習慣病予防と重症化予防に努めてまいります。このためには、健診により自分の健康状態を知り、生活習慣を改善していくという健康行動の実践が大切です。そこで、節目年齢に対するがん検診無料クーポン券の配付や託児付きの土日健診の充実に加え、平成29年度から加西市国民健康保険加入者の特定基本健診の自己負担額を無料とし、健診を受診しやすい環境を整えることで、受診率の向上を図ってまいります。
運動の普及については、運動教室のメニューに地域の運動リーダー養成コースを加え、その後の活動支援も行ってまいります。また、運動ポイント事業では現在の参加者と合わせて合計1,000人の参加者を募る一方、北条鉄道の利用へのポイント付与等その内容の充実に努め、歩くまちづくりの推進に努めます。
母子保健対策として、産後の心身の負担が大きい時期に、家族から十分な援助が受けられず不調や不安を訴える方を対象に産後ケア事業を実施し、安心して子育てができるよう支援体制の充実を図ります。
高齢者施策としては、平成30年度から32年度までの3年間の高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画を策定し、団塊世代の方々が75歳以上に達する平成37年度までに、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組をさらに進めます。
昨年度、スタートした介護予防・日常生活支援総合事業では、高齢者全体の介護予防を推進し、生活支援を行うため、地域・医療・介護のそれぞれが力を発揮する仕組みづくりを進めます。
また、介護予防を推進するため、引き続き、加西いきいき体操の普及推進に取り組むとともに、地域住民の相互援助活動による生活支援サポーター事業及びボランティアポイント事業を実施し、地域で支え合う仕組みづくりとともに高齢者の生きがいづくりを進めていきます。あわせて、認知症の正しい知識を学び、見守り・声かけを実践する「あったか声かけ作戦」や認知症の疑いのある者を早期に医療、介護制度につなげる「認知症初期集中支援事業」をはじめとした認知症対策に引き続き取り組んでまいります。また、認知症地域支援推進員を増員配置するなど地域包括支援センターの充実、介護保険制度の適正な運営に努めます。
全ての市民が安心して暮らせるよう、加西病院においては、厳しい医療環境ではありますが、医師の確保を最優先に現行の医療体制の維持・充実に努め、地域包括ケアシステムにおける中核病院としての機能の充実・強化を図ります。
また、加西病院施設の老朽化に伴う対応については、今後の進め方を見定めるための協議を進めており、病院の建て替えも視野に入れ、出来るだけ早期に方向性を明示いたします。
安全安心な地域社会は、全ての基本です。防犯対策においては、事件解決の有効手段となる防犯カメラの設置を引き続き行い、さらなる犯罪発生の抑止力の強化を図ります。
防災対策では、地域防災の両輪となる自主防災組織と消防団への支援充実を図り、さらには自主防災リーダーを中心とした防災知識の普及と、消防団の改革を通じて市民・地域による防災まちづくりを進めます。
消費者行政につきましては、消費者被害の未然防止・拡大防止に向けて積極的な啓発を行います。消費者問題が複雑かつ多様化する状況下において、迅速かつ的確な相談体制の強化を図ってまいります。また、地域の事業者とも連携して消費者トラブル防止に取り組んでまいります。

4 地球に優しい環境都市加西

四つ目に「地球に優しい環境都市加西」をめざす施策であります。
次の10年間を対象とした「第2次加西市環境基本計画」を策定し、平成29年度は新たな環境施策がスタートする年となります。今後も加西の環境をしっかりと守り、人が住み易い、自然も美しいまちづくりを進めます。この計画を着実に推進していくため、毎年度、加西市環境審議会による検証を行い、市民の声をより一層、環境施策に反映させてまいります。
次に、「グリーンエナジーシティ構想」の推進につきましては、住宅用の太陽光発電施設、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車への補助制度を継続します。さらに災害時の備えとしても期待されている蓄電池も補助対象に拡げ、クリーンエネルギーの普及を図ります。一方、エネルギーを作る「創エネ」については十分に普及したことから、エネルギーを貯める「蓄エネ」と、エネルギーを上手に使う「省エネ」に支援をシフトしてまいります。
自然との共生では、「生物多様性かさい戦略」を軸として、加西市の貴重な生態系の保全を推進します。あびき湿原については、市の天然記念物指定に向けて本格的な動植物調査を行います。また、市内だけでなく、市外県外から来訪者が増加する中、アメニティを充実させるため、環境に配慮したバイオトイレを設置します。
ごみ処理につきましては、不法投棄・野焼きに対する指導を継続するとともに、住民参加型の「粗大ごみ拠点回収」を多くの自治会において実施し、住民が相互に助け合いながら、安心して住みやすい地域づくりを実現してまいります。
埋立最終処分場の水処理施設につきましては、平成28年度に引き続き、改修工事を実施し、安定した排水処理を行うことで、生活環境の保全を図ります。
次に、加西衛生センターにつきましては、平成28年4月より公共下水道への放流とともに、運転管理及び機器管理の長期包括運転管理委託を開始しており、引き続き、環境負荷に配慮した運営を行ってまいります。
上水道事業については、配水計画の見直しを行った結果、災害時でも安全で安定的に水道水を供給するため、新しく鴨谷地区に配水池の整備を行い、配水池に関連する送水施設、送配水管については、関係機関との協議を行いながら整備を進めます。
また、既存施設の更新については、水道ビジョン、アセットマネジメントを基として、費用の平準化を図りながら計画的に事業の実施をいたします。
下水道事業については、生活排水による公共用水域の水質汚濁を防止し、良好な生活環境を確保するため、水洗化率の向上を目指し、昨年度に続き未接続家屋への水洗化補助金を交付し、下水道への接続の促進に努めます。
また、下水道施設においては、生活排水処理計画に基づき、生活排水処理施設から公共下水道施設への施設の統廃合事業として、南網引地区、坂本地区、福住地区及び剣坂地区の基本、実施設計を実施するとともに、経年により老朽化している加西ハイツ地区、加西、鎮岩工業団地内の下水道管路の更新事業を実施し、施設の長寿命化を図ります。

5 パートナーシップによる地域経営

五つ目は、「パートナーシップによる地域経営」であります。
住民がまちづくりの主体となる「ふるさと創造会議」は、開始から5年目を迎えます。既に9校区で組織が活発な活動を展開され、残る2校区についても準備段階に入っています。全市での活動がより活性化するよう積極的な支援を進めていくとともに、新たな交付金制度の構築を進めてまいります。
 また、平成27年度より地域おこし協力隊制度を導入し、現在4名の隊員が活動しており、隊員を通じて、ヒトとヒトが繋がり、縁が生まれ、自分達の地域をより良くしていこうという動きが出てきています。
加西市は、市単独予算で「地域おこし協力隊制度」に積極的に取り組んでおりますが、隊員の活動が若者を通じて、SNS等により東京や大阪などに情報を発信していることから、国や県からも一定の評価を得ております。
さらには、加西市モデルとして他の地方公共団体からも注目を浴び、県下でも本市に続いて三田市のように、単独予算で取り組む自治体が誕生したことは、加西市の本気度を評価された結果だと思っております。引き続き、持続可能なまちづくりのため、地域おこし協力隊制度を継続し、様々な他の制度を活用しながら取組を進めてまいります。
次に、若者や女性が活躍できるまちづくりを進めるため、平成25年9月に策定した「若者主役計画」を積極的に進めます。耕作放棄地を活用した都市部の若者と市内住民との交流事業や、都市部の若者起業家の誘致推進、平成28年度のウォーキングシューズ開発のように、ソーシャルビジネスネットワークの活用による地元事業者と若者との協働によるソーシャルビジネス創出を進めます。
また、問題解決型インターンシップの実施など、学生の創造力と民間企業のノウハウを活かした産官学連携による地方創生事業を展開します。同時に、女性の活躍や都市部への流出抑制を目的として、若年女性や子育て中の女性を対象とした起業支援や女性講座、交流事業にも取り組みます。
広域的な取組としましては、播磨圏域連携中枢都市圏及び北播磨広域定住自立圏の推進により、観光やイベント等、自治体同士が互いに連携・協力を行いながら、活力ある地域の維持に向けて一層効率的かつ効果的な行政を引き続き推進します。

最後に

以上、平成29年度施政方針に基づき、今定例会に提案させていただいております「平成29年度当初予算案」をはじめ、各議案につきまして、ご審議をよろしくお願い申し上げます。
冒頭でも申し上げましたとおり、平成29年は市制50周年という大きな節目の年となります。今を生きる私たちには、先人たちが育んできたふるさとへの熱い思いをしっかりと引き継いで、更に発展させ、次代へとつないでいく責務があります。
議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。


 

過去の内容

問合先 ふるさと創造部 秘書課
TEL:0790-42-8701 FAX:0790-43-0291 mail:hisho@city.kasai.lg.jp

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