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平成31年度 市長施政方針(平成31年2月27日 市議会3月定例会において)

はじめに

本日、第274回加西市議会定例会の開会に際し、平成31年度の予算をはじめとする諸案件の審議をお願いするにあたり、お時間をいただき、新年度の市政運営に臨む所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご賛同を賜りたいと存じます。

私が市長に就任してまもなく2期目が終了いたします。
私は8年前の就任当初より「5万人都市再生」という大きな目標を掲げ続けています。未来に夢と希望を持ち、豊かな加西市を再生していくため、人口増に向けた地域活性化対策と市民が健康で安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいりました。「5万人都市再生」を果たすためには、市民一人ひとりの想いをつなぐ「絆」を取り戻し、心を一つにすることが大切です。そのためには、信頼される市政を行うことが重要であり、市民の皆様の信頼をより確かなものにするため、マニフェストを着実に実行してまいりました。その結果、第2期マニフェスト88項目について、7割以上を達成しており、これらの施策に粘り強く継続して行ってきた成果が少しずつ実を結びはじめた数字となって表れてきています。

まず、人口については、平成10年以降毎年200〜300人の社会減が続いていましたが、平成28年度は93人の減、平成29年度は21人の減と社会減は続いているものの逓減し、平成30年度は1月末時点では132人の社会増となり、年間を通して社会増となると期待しています。

そして、ふるさと納税は、制度開始の平成20年度と平成29年度の実績を比較すると、109倍の6億3千万円となり、県下で2位の寄付額となりました。さらに平成30年度におきましても、多くの方々からお選びいただき、すでに平成29年度の実績を上回る結果となっております。

さらに、東洋経済新報社が発行する「住みよさランキング」において、平成22年は全国の市・区中で558位でありましたものが、平成30年は814市・区中120位となり、住みよいまちとして上位にランクされるようになり、客観的な指標として加西のまちづくりが評価されているものだと考えております。

さて、平成31年は5月に元号が変わり、新しい時代がスタートする大きな節目となります。この時代の転換期に、加西市は3つの大きな事業を進めています。加西インター産業団地の整備、鶉野飛行場跡地周辺の整備、そして北条旧市街地の活性化です。これらは、次の世代を担う子供たちへ、ふるさと加西の発展のために、未来を見据えた大切な事業であり、いずれも加西市の将来を左右する大きな事業でもあります。これらの事業を軌道に乗せ、加西市の発展に全力を注いでいきたいと考えております。

予算編成の基本方針

それでは、平成31年度における予算編成にあたっての基本方針をご説明いたします。
今年度は、第5次加西市総合計画の後期基本計画のゴールに向けて成果を明らかにしていくとともに、次期総合計画の策定に着手する年であります。また、加西市地域創生戦略5カ年の最終年でもあり、これまでの計画事業の進捗状況をしっかりと見極め、発展的に展開していかなければなりません。このため、基本方針である5本柱「子育て支援の充実と教育環境の整備」「産業振興と地域ブランド力の強化」「健康づくりと福祉の充実」「都市基盤づくりと定住促進」「住民主体のまちづくり・人づくりの推進」を継続しつつ、将来にわたり市民が希望を持って心豊かに暮らすことのできる、持続可能な都市の実現に邁進してまいります。
行政に求められている市民ニーズを的確に把握し、合理的な判断により事業の取捨選択を行い、真に有効な事業を吟味・厳選する中で予算配分の重点化、効率化を図り、あわせて全国から寄せられる多額の「ふるさと納税」を具体的な施策の実行の財源として活用しながら、地域創生の強力な推進に努めてまいります。
平成31年度は、(仮称)泉こども園の建設や鶉野飛行場跡地における地域活性化拠点施設(空の駅)の整備のほか、加西インター産業団地の整備等、大型事業が本格化してまいりますが、国・県の地方創生交付金や交付税算入率の高い起債等を最大限活用し、公債費の抑制、財政調整基金の確保に努め、財政規律と健全な財政運営を守るという方針により予算編成を行ってまいりました。その結果、基金取り崩しは平成30年度と同額の5億5千万円、投資的経費については8億8千万円、起債額は5億4千万円となり、行財政改革プランの範囲内です。

平成31年度の主要な施策

5つの基本方針によりまして、新年度に取り組む主要な施策を、総合計画に掲げる基本政策に沿って申し上げます。

1 子どもが元気に育ちいきいきと活動する加西

まず、「子どもが元気に育ちいきいきと活動する加西」をめざす施策であります。
学校施設の整備事業としまして、日吉小学校特別教室改修工事等を行います。また、市内小・中・特別支援学校16校の学校ごとに施設の現状を調査し、長期的に施設を利用可能とするための修繕計画等を策定していきます。
さらに、防災上の観点から、北条小学校運動場に雨水貯留施設(地下埋設)を整備し、市街地への洪水や土砂流出を未然に防止します。
次に、学校教育の充実としまして、外国語指導助手(ALT)を増員するとともに、小学校での英語が堪能な地域人材の活用やオンライン英会話の実施、中学校でのオーストラリア国際交流や英語能力検定料の補助など、児童生徒の英語力の向上を図ります。また、WEBを利用した「学習支援システム」の活用、学校図書館の蔵書の充実や新聞の配置、スクールサポーターの拡充により、学力向上に努めます。そして、小学校に続いて、平成31年度から中学校でも「特別の教科 道徳」が実施されるのを受け、これまで以上に道徳教育を充実し、豊かな心を育みます。さらに、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果等をもとに、加西市の子どもの現状や課題を分析し、体力・運動能力の向上をめざします。
家庭・地域との一層の連携のもと、義務教育9年間を見通した小中連携を積極的に進めるとともに、保幼小連携・交流のさらなる充実を図ります。
生涯学習としましては、青少年向けスポーツ教室、子どもや家族向け講座・イベントの開催など、生涯学習活動を推進するとともに、公民館・オークタウン加西の施設整備を順次進めます。
加西市立図書館では、学校との連携をより一層進め、子どもたちの読書活動を支援します。また、市民の暮らしに役立つ情報提供施設として、幅広く高度な資料の収集に努め、蔵書の充実を図ります。
スポーツの推進については、グリーンパークトライアスロンin加西がオリンピックイヤーに10回目の記念大会となるため、パラトライアスロンの開催等、より充実した大会になるよう努めてまいります。また、ワールドマスターズゲームズ2021のテニス大会の加西市開催を見据え、テニス教室の開催を始め、各種スポーツ教室を開催し、市民のスポーツ意識の醸成、スポーツを通じたコミュニティ作りを促進します。また、コミュニティ作りに欠かせないスポーツ施設の改修を行い、スポーツを通じた地域交流にも努めてまいります。

2 雇用と経済が元気を取り戻す加西

次に「雇用と経済が元気を取り戻す加西」をめざす施策であります。
「加西市ふるさとハローワーク」による就職支援の充実に加え、兵庫労働局と締結した「雇用対策協定」をさらに推し進めます。平成31年度はいよいよ加西インター産業団地の整備が本格的に進むため、雇用確保対策が急がれます。兵庫労働局とは緊密な関係のもと進めてまいります。また国、県や商工会議所、加西市雇用開発福祉協議会などと連携して、確実な情報提供のための体制づくりと、学生や子どもたちが市内企業の実態にふれる機会を拡充するなどの人材育成策を通じて、市内の雇用力を高める環境づくりを推進します。さらに、不足する雇用対策として市内事業所が進める外国人雇用についての支援を具体化していきます。
加西市の経済を牽引する「ものづくり産業」に対しては、加西市産業振興計画に示すとおり、既存工場用地の最大活用を図るため緑地規制を緩和するとともに、生産性向上特別措置法による導入促進基本計画策定により、生産性向上に対する設備更新に対しては3年間の課税免除制度を整備したところであり、労働生産性の向上を図ることで、地域価値の持続的な拡大による経済の好循環の創出を図ってまいります。
また、ルートイン加西「北条の宿」の開業による経済的波及効果を逃すことなく、北条旧市街地周辺での創業支援や空き店舗対策等により地域に賑わいをもたらす取り組みを行い、まちの活性化と定住促進に繋げてまいります。
平成29年度から加西商工会議所と連携し、同会議所内に設置した総合的な産業支援拠点「加西市産業活性化センター」により、市内事業所への支援に関する情報発信及び各種相談や創業支援、事業承継支援を行うなど、中小企業・小規模事業者支援としてさらなる取組を進めます。平成31年度は新たに小規模事業者支援対策として事業承継支援を含めた独自の持続化補助制度を創設します。
農業振興では、担い手の確保と育成を中心とした施策を推進してまいります。新規就農促進協議会の設立によって活発化した就農促進活動の取り組みを更に推進し、就農による移住者を増やします。また、平成30年度に始めた女性向けの大型機械の免許取得支援の対象を若者にも広げ、担い手の発掘と育成に努めます。
農村集落活性化のため、地域住民と協働し引き続き多面的機能支払交付金を活用していくとともに、中山間地域等の農業生産条件の不利を補正するため、中山間地域等直接支払交付金の活用を検討します。また東高室地区、加西インター周辺地区のほ場整備事業を推進することにより、農業生産基盤の整備に努めるとともに、市内に点在するため池については、下流の家屋等に被害を及ぼすおそれの高い防災重点ため池を中心に計画的な改修を行います。
特産農産物の生産振興では、JA兵庫みらいと協働してアスパラガスの施設整備支援を行い、加西市での産地化を推進します。特産の柱であるブドウについては、市独自の棚整備及び苗木購入の補助を継続するとともに、ゴールデンベリーAに続く市場出荷品種ブラックビートの拡大に努めます。また、今まで特産として認知されていなかった花卉、特に高い技術力を誇るハボタンの積極的なPRを進めます。
また、有害鳥獣被害防止対策として、「捕獲による個体数の管理」、「防護柵設置による被害防除」、「里山整備、森林整備等による生息環境管理」の三つの柱により、地域住民、猟友会、行政が一体となり被害防止に努めます。
次に加西市に住み、定住できる基盤を整えるため、市街化調整区域では、引き続き、特別指定区域制度や地区計画制度を活用し、大胆かつ積極的に課題解決に即した建築規制の緩和に努めます。
加西インター産業団地については、加西市の大きな2本柱である農業と製造業のバランスの取れた維持・発展を目指し、平成32年度の一部分譲に向けて、まずは、中国自動車道北側区域の整備に取り組んでいきます。
整備実現に向けて課題もありましたが、インター周辺の農地を宅地造成するための法手続きについては、関係機関との協議を重ね、産業団地の整備により農業の持続性を高められる農産法実施計画を策定し、農振農用地除外に係る兵庫県の同意を得ることができました。その他の課題についても、ようやく、事業実施が見込まれる状況となり、スタートラインから一歩踏み出しつつあります。
加西インター産業団地には、全国の主要都市や県内各地域へのアクセスが優れた大規模用地を提供できるなど、企業立地に高いポテンシャルがあります。加西市の地域創生の切り札として、整備事業を力強く推進し、農業振興と産業振興が両立する地域経済の発展と新たな雇用創出に取り組んでまいります。
定住促進については、市が事業者として進めました「ベルデしもさと」に続く、市街化調整区域における新たなまちづくりモデルとして、市と地元が協議し、民間事業者が開発する尾崎町北条高校前地区の宅地分譲が始まります。また、宇仁地区における新規居住者の住宅区域の拡大などの特別指定区域の見直しを継続的に進めており、さらなる定住促進を図っていきます。これら新しいまちづくりを全市的に展開できるよう各ふるさと創造会議との協議を進めます。
また、東高室地区と中野・下宮木地区において、地域住民と協働し商業施設を誘致することにより、地域の生活利便性の向上と活気あふれる魅力的なまちづくりを積極的に推進してまいります。
増加傾向にある空き家対策については、平成30年度に実施した空き家調査等の結果に基づき利活用可能なものは空き家バンク物件として登録を進めてまいります。また、国の補助金を活用し、一級建築士や税理士、司法書士等の専門家により今年2月に設立された加西空き家対策専門家協議会(通称:え〜がい加西)では、空き家になる前に行う予防対策も含めた空き家相談がワンストップで可能となることから、相談者の利便性向上を図るとともに団体自身が自走できる運営体制となるよう行政としてもサポートしてまいります。
市街化区域については、周辺に商業施設が立地するなど歩いて暮らせるコンパクトなまちです。北条12区を中心とした旧市街地の住環境整備と土地活用の促進をめざし、引き続き、官民境界等先行調査の実施に併せ、住民と行政の協働のまちづくりを進めてまいります。また、北条旧市街地の賑わいづくりとまちなか居住の推進のため、地域の歴史文化資源である空き家・空き店舗を活用した異なる4種類のモデル拠点施設のハード整備が平成30年度末で完了します。既にこれら拠点施設を中心に地域住民等による自主的な取組が始まってきておりますが、北条旧市街地が更に活気溢れ魅力的なまちとなるよう継続的な支援を実施してまいります。
また、地元からの要望の強い、地籍調査事業も加速化させてまいります。
同時に、若者定住促進住宅補助制度を継続し、UJIターンや若者、子育て世帯が市内に一戸建て住宅等を購入・建築しやすい環境をさらに整えます。また、若年世帯の市内への転入を促すために、新婚世帯向け家賃補助を引き続き実施いたします。
公共交通に関しましては、加西市地域公共交通網形成計画に基づき、北条鉄道・路線バス・コミュニティバスが一体となった交通網を確立します。また地域主体型交通など地域の取組みを支援し、交流促進による地域の活性化につなげます。また、北条鉄道の利便性向上のため、法華口駅の列車交換施設の整備に着手します。
市内の道路網整備については、幹線市道整備と集落内市道の改良工事を計画的に実施してまいります。また、国道、県道の整備につきましては、兵庫県と共に計画的な整備に努めてまいります。
老朽化した市道や市道に付属する道路施設の維持、修繕工事について、通学路を重点的に地元要望に迅速に対応した整備を行ってまいります。
特に、鶉野飛行場跡地周辺地区の利活用を促進するための(仮称)市道鶉野飛行場線の整備について、引き続き積極的に事業を推進するとともに、現国道の渋滞解消及び通行の安全性を目標とした(仮称)市道鶉野飛行場線へと繋がる国道372号加西バイパスの整備につきましては、兵庫県と一体となり、早期事業化に向けて取り組んでまいります。
鶉野飛行場跡地及び周辺の戦争遺産を一体として観光整備し、市内外の観光客と地域住民の交流の場を創出するため、都市再生整備計画に基づき、防災備蓄倉庫、防空壕等の歴史遺産へのアクセス道、散策道、休憩所・トイレ等の整備を進めてまいりました。引き続き、地方創生推進交付金(先駆タイプ)を活用して、地域活性化拠点施設(空の駅)の整備を推進していきます。
鶉野飛行場跡地全体がフィールドミュージアムとなり、戦争の記録と記憶を後世に伝える平和学習や飛行機技術の継承に取り組むほか、地域活性化拠点施設を加西市の玄関口・交流の場として位置付けて、四季を通じて、度々、加西市を訪れ、熱気球や農産物収穫などの様々な体験ができる平和ツーリズムを展開していきます。
また、旧海軍飛行場ゆかりの加西市、姫路市、宇佐市、鹿屋市で平成30年度立ち上げた「空がつなぐまち・ひとづくり推進協議会」の輪をさらに広げて、全国各地から人が集まり、交流人口の増加と加西市の活性化につながる仕組みづくりに取り組んでいきます。
また、市内の文化財や歴史文化遺産の保存と活用を、より具体的にまちづくりと地域の活性化に活かすため、平成29年度に策定いたしました「加西市歴史文化基本構想」をステップアップし、文化財保護法の改正に伴い「加西市文化財保存活用地域計画」を策定します。
平成25年から実施しています播磨国風土記事業については、平成29年度より観光まちづくり協会の事業として継続しており、その中でも加西市の未来を担う小学生たちによる「加西市こども狂言塾」事業を重点プロジェクトとして位置づけ実施しております。1300年以上も前から地域に伝わる「根日女物語」を、狂言師の野村萬斎氏に監修・演出していただき新作狂言「根日女」を創作し、今を生きる子どもたちが生まれ育ったふるさと加西を想い演じることは、新たな文化の継承と郷土愛を醸成する正真正銘の地域創生の事業です。平成31年度より三木市との連携を具体化させてまいります。
平成30年度から国では交流人口から関係人口、そして移住定住へという新たな考え方が示されるようになってきました。地域外の方が加西市へ継続的に関わり続ける仕組みを構築し、将来の移住定住へつながる新たな地域づくりの担い手となる加西ファン、すなわち関係人口の創出を進めてまいります。
「ふるさと納税」につきましては、平成30年度は魅力ある返礼品を増やすだけでなく、従来の「ふるさとチョイス」及び「さとふる」に加え、新たに「楽天」、「KDDI」のサイトへの掲載を追加しました。今後は、地域の特産品である返礼品を充実させつつ、民間団体の活動や市が主催する行事への参加等、体験型の返礼品の充実も図っていき、「交流人口」から「関係人口」の増加へと繋がるような取組も推進してまいります。

3 誰もがみんな元気で安心して暮らせる加西

三つ目に、「誰もがみんな元気で安心して暮らせる加西」であります。
子育て支援施策として、平成24年度から実施している中学3年生までの子どもの医療費無料化、平成28年度から実施した4、5歳児の保育料の無料化を継続するとともに、平成31年10月から実施予定の幼児教育無償化にも対応し、さらなる子育て世代の支援をいたします。
就学前教育については、地域の子育て支援の拠点施設として質の高い幼児教育と保育の一体的な提供を行う認定こども園を整備し、保育士・教諭の資質や専門性を高めた職員配置のもとに3歳からの幼児教育を進め、特別支援教育の充実を図ります。また、泉中学校区においては、平成32年度の開設に向け、(仮称)泉こども園の整備を進め、私立園も含めた幼保連携型認定こども園の施設整備を市内全域に展開し、子育て環境を充実していきます。
障がい者に対する交通手段の確保に対する要望の高まりを受け、現在の福祉タクシーチケットの利用を1回の利用につき2枚まで利用可能だったものを3枚に拡大します。また、現在、タクシーチケット発行の対象とならない手帳所持者についても、認知症等による高齢者の自動車運転による事故が社会問題となっていることから、ご本人ご家族や地域の不安を解消するため、65歳以上で運転免許証を返納された方にタクシーチケットを発行し、自動車免許返納の推進と安心した生活の基盤づくりにも努めます。
また、聴覚障がいを持つ方に対し、従来からの意思疎通支援施策を続けるとともに、ICT機器を活用した手話通訳を行う等、暮らしやすい環境づくりに向け引き続き取り組んでまいります。
生活困窮者に対しては、総合的な相談支援事業に加え、就労準備支援事業を行い、就労困難な方への仕事の体験を通じて、一般就労への支援を地元民間企業の協力を得ながら行います。
また、家庭の経済格差に起因する子どもの学力格差などによる貧困の連鎖は深刻です。生活困窮家庭等の子どもを対象に、学習支援事業を実施するとともに、ひきこもり対策事業を実施し、就労準備支援や学習支援等社会参加へつなげます。加えて、平成30年度より開始した生活困窮家庭の児童等への高校進学に対する一時金の支給などの支援については、制度導入の契機となった前橋市のタイガーマスク運動支援の精神を他の自治体等にも広めていきたいと考えます。
子育て家庭の負担軽減を図るためファミリーサポート事業の利用者のうちひとり親家庭や低所得家庭へ助成を行います。また支援が特に必要な家庭にヘルパーを派遣し、養育環境の維持改善を図ります。さらに、ひとり親家庭に対する就労促進のための資格取得の支援を拡充します。
また、ドメスティック・バイオレンス対策については、引き続き相談しやすい窓口づくりと関係機関との連携強化を図りながら、迅速な被害者保護と安全確保に努めてまいります。
次に、健康づくりにつきましては、生活習慣病予防と重症化予防に努めてまいります。このためには、健診により自分の健康状態を知り、生活習慣を改善していくという健康行動の実践が大切です。そこで、節目年齢に対するがん検診無料クーポン券の配付や託児付きの土日健診の充実に加え、加西市国保とその他保険加入者の20歳から39歳の方の特定基本健診の自己負担額の無料化を継続し、受診しやすい環境を整えることで、受診率の向上を図ってまいります。
平成30年度より「胃がん0のまち」をめざし新たに実施した市内の全中学3年生へのピロリ菌検査では、平成31年度から学校検尿と同時に実施することで生徒への負荷の軽減に努めます。
運動の普及については、通常の運動教室や昨年から始めた運動リーダー養成コースを実施し、その後の普及活動支援の充実も行ってまいります。また、3年間で1,500名の参加を得た運動ポイント事業は、これまでの活動量計からスマートフォンの活用へと運用システムを変更し、加えてイオンモールウォーキングとの連携をさらに強化し、より広い層からより多くの参加を得て事業の更なる活性化を図ります。また、事業実施にあたっては、無関心層へ有効な影響力を与えてくれるインフルエンサーの育成も意識したポイント付与システムを構築します。
母子保健対策として、新たに視覚スクリーニング検査機器を導入し弱視等の早期発見に努めます。利用者支援事業(すくすく相談窓口の設置等)や産後ケア事業に加え、平成30年度から開始した新生児聴覚検査への全額補助、産婦健診及びおたふく風邪ワクチン予防接種への一部補助を継続実施し、安心して子育てができるよう支援体制の充実を図ります。
高齢者施策としては、高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画に基づき、団塊の世代の方々が75歳以上になる2025年度までに、住み慣れた地域で、いきいきと自立した自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムを深化させます。平成29年度に加西病院に設置した加西市在宅医療介護連携相談室を活用した多職種間の連携を強化することで、医療介護連携の課題を明確にし、地域包括ケアシステムの充実を図ります。また、住民と共に創る地域共生社会の実現に向け、生活支援サポーター事業の充実、地域包括支援センターの強化などによる、介護保険制度の適正な運営に取り組みます。
また、引き続き「元気100歳健康長寿のまち」を目指し、かさいいきいき体操の普及やサロン活動など、住民力を主体とした高齢者の支え合いづくりや生きがいづくりを進めていきます。
また、平成30年度にモデル地区として1生活圏域に配置した第2層生活支援コーディネーターを全生活圏域に配置し住民ネットワークの構築と地域人材の発掘や育成に努めます。
認知症対策については、認知症地域支援推進員と連携し、引き続き地域や学校で「認知症サポーター養成講座」を開催し、認知症の正しい理解を深めるとともに普及啓発を図ることで、地域住民とともに市民・行政・事業者連携で認知症になっても誰もが住み慣れた地域で暮らしていけるような地域づくりを目指します。具体的には、見守りSOSネットワーク事業の拡充を図るほか、平成30年度に開始した、一人外出高齢者等の家族に対する探索サービスにかかる経費の一部補助について一層の周知を図るほか、探索方法の拡充など、行方不明になっても早期に発見できる捜索体制整備を行います。
誰もが安心して暮らすために、医療提供体制の安定的な運営と、超高齢社会における疾病構造の変化に対応した医療の充実は欠かすことはできません。これからも加西病院の使命は重大であると考えています。
そのために現在、加西病院の将来構想の策定に力を注いでいます。将来構想では、厳しく現状を分析しながら、近い未来から数十年先までを見据え、市民の健康を守るとともに、不安を取り除き”幸せに暮らす”ために加西病院が公立病院としての果たすべき役割を明示していきます。
安全安心な地域社会は、全ての施策の基本です。防犯対策においては、事件解決の有効手段となる防犯カメラを市内の主要な交差点等に引き続き設置するとともに、さらなる犯罪発生抑止力の強化を図るため、地域団体の防犯カメラ設置に対する助成について、引き続き実施してまいります。
防災対策では、台風の接近等に伴う風水害対策に資するため、市内のさらに詳細な気象情報を収集できるよう現在2か所設置している超高密度気象観測システム(POTEKA)を4か所に増設いたします。
地域防災の両輪となる自主防災組織と消防団への支援充実を継続するとともに、平成30年度からは、自主防災組織と共同した総合訓練を実施しており、市民自らが災害に対応できる技術の向上を図り、防災意識の高揚と防災体制の強化に取り組んでまいります。
また、地域防災の要である消防団につきましては、現在進めております「あり方検討委員会」において、消防団のあり方、消防団員のあり方等についてさらに議論を深め、平成31年度9月議会には短期の課題について提案し、中長期の課題については以降の予算に反映させてまいりたいと考えております。
さらに、鶉野飛行場跡地の防災備蓄倉庫に隣接して、悪天候のもとでも使用可能な訓練場の整備を進めてまいります。
消費者行政につきましては、消費者被害の未然防止・拡大防止に向けて積極的な啓発など予防に重点を置いた施策を行います。消費者問題が複雑かつ多様化する状況下において、迅速かつ的確な相談体制の強化を図ります。また、警察や地域の団体、事業者とも連携して消費者トラブル防止に取り組んでまいります。

4 地球に優しい環境都市加西

四つ目に「地球に優しい環境都市加西」をめざす施策であります。
昨年30年12月20日に全国で12番目、兵庫県下で初めて「世界首長誓約/日本」に署名しました。パリ協定の目標達成に向け、持続可能なエネルギーの推進、温室効果ガスの国の削減目標以上の削減、気候変動の影響への適応と持続可能で強靭な地域づくりに取り組みながら、今後2年以内に具体的な内容を定めた気候エネルギー行動計画を策定いたします。また、他市町にも呼びかけてまいります。
次に、「グリーンエナジーシティ構想」の推進につきましては、エネルギーを作る「創エネ」から、エネルギーを貯める「蓄エネ」と、エネルギーを上手に使う「省エネ」の支援にシフトしているところです。
そのため、住宅用の太陽光発電施設の補助は、平成29年度をもって終了し、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、蓄電池への補助制度を継続し、クリーンエネルギーの普及を図ってまいります。
自然との共生では、「生物多様性かさい戦略」を軸として、加西市の貴重な生態系の保全を推進します。
あびき湿原については、昨年10月に市の天然記念物に指定されましたので、引続き関係機関と協力を図りながら、平成31年度の県の天然記念物指定に向けて取り組んでまいります。
また、市内の希少生物の生息状況については現在、「加西の貴重な生態系48」として把握していますが、さらに詳細な生態系データの整備に努めるべく補足調査や新たな地区での植生調査を本格実施します。
今後、有識者による検討会で議論を深め、助言を頂きつつ、加西の生態系調査の集大成として取りまとめいたします。また、植生調査を自治会、教育機関などと連携し取り組んでいくことで、地域の活性化と環境学習への利活用を図ります。
ごみ処理対策については、引続き不法投棄・野焼きに対する指導を強化してまいります。住民主体の「粗大ごみ拠点回収」は、持込み場所が身近な地域内であることから、非常に好評を得ておりますので継続実施してまいります。ごみターミナル設置場所の確保が難しい市街地につきましては、今後3年計画で、衛生的な生活環境を確保するため、移動式ごみターミナル設置にかかる補助金制度を拡充いたします。また、ごみ減量に対し補助事業を継続し、循環型社会の推進に努めてまいります。
埋立最終処分場におきましては、平成30年度に引続き、埋立最終処分場工事を実施し、延命化と廃棄物処理の適正化を図ってまいります。
次に、加西衛生センターにつきましては、平成28年4月より公共下水道への放流とともに、運転管理及び機器管理の長期包括運転管理委託を開始しており、引き続き、環境負荷に配慮した運営を行ってまいります。
水道事業につきましては、加西市水道事業経営戦略に基づき、効率的かつ柔軟な事業展開を図りながら、持続可能な経営に努めてまいります。
また、災害時でも安全で安定的に水道水を供給するため、平成30年度に整備を完了いたしました鴨谷町の新しい配水池に関連する送水施設及び送配水管を、関係機関と協議を行いながら、早期に供用開始できるように整備を進めてまいります。
既存施設の更新については、加西市水道ビジョン及びアセットマネジメントに基づいて、費用の平準化を図りながら計画的に事業を実施いたします。
下水道事業につきましては、汚水対策として汚水管誤接続調査や老朽マンホール蓋取替えなどの不明水浸入対策事業を継続して実施してまいります。雨水対策としては、引き続き中野地区の雨水渠整備事業を実施してまいります。
下水道処理施設につきましては、生活排水処理計画に基づき、経営の効率化と安定的な汚水処理を目的として、農業集落排水地区ならびにコミュニティプラント地区の公共下水道への統合に向けた接続工事を計画的に実施してまいります。平成31年度は農業集落排水南網引地区の接続を完了させ、コミュニティプラント在田南部地区の接続工事に着手します。

5 パートナーシップによる地域経営

五つ目は、「パートナーシップによる地域経営」であります。
加西市では平成25年度から小学校区を単位とした住民主体のまちづくりを進めるための組織である「ふるさと創造会議」を立ち上げ、平成30年3月に市内全地区で組織が設立されました。
現在、各地区の創造会議では、地域内の様々な団体や組織が集まり意見交換を積み重ね、多様な住民がまちづくりへ参画できるように取組みを進めており、次に地域課題の解決にむけた活動を実行する段階へと進んでいます。
このような活動を支援すべく、市外の先進事例を学ぶ研修会の開催や情報発信や組織強化の支援など、ふるさと創造会議の活動を更に発展させる取組みを進めてまいります。
また、平成27年度から導入した「地域おこし協力隊制度」については、活動から約4年が経過し、これまで市外から5名の隊員が加西市へ住民票を移し、 様々な地域おこし活動を実践してきました。その中で2名の隊員が退任後も加西市で起業し定住しています。
今後は、まちづくりの中心的な組織である「ふるさと創造会議」を協力隊の受け皿として、地域が協力隊に求める活動と協力隊が地域で実践したい取組み等をマッチングさせ、外部人材を活用した地域づくりを進めてまいります。
次に、加西市地域交流センターでは、センター事業への市民参画を進めるため、市民による加西市地域交流センター運営会議を開催しています。自主的に集まったメンバーがアイディアやネットワークを生かし、地域交流センター交流プラザにおいて自ら企画したイベントやセミナーを開催しております。引き続き、市民による市民のためのまちづくりをすすめます。
また、若者ターミナルスポットにおいて若者や女性がチャレンジできる場を創出し、起業相談やセミナー開催など夢の実現の第一歩となる拠点となるよう運営していきます。また、播磨農高プロデュースレストラン「はりまのちっちゃな台所」、出逢いサポーターが1対1の出逢いを支援する「加西市出逢いサポートセンター」など、若者の新しいチャレンジや出逢いを全力でバックアップするまちとして、様々な施策を展開しています。同時に、女性の活躍を目的として、若年女性や子育て中の女性を対象とした起業支援や女性講座、交流事業にも取り組みます。
広域的な取組としましては、播磨圏域連携中枢都市圏及び北播磨広域定住自立圏の推進により、観光やイベント等、自治体同士が互いに連携・協力を行いながら、活力ある地域の維持に向けて一層効率的かつ効果的な行政を引き続き推進します。
また、加西市総合計画の実施計画として定められている行財政改革プランについて、持続可能な財政基盤の確立、行政サービスの向上と効率的な行政運営、5万人都市再生に向けた総合的な施策の展開へ向け、新たな計画の策定に着手します。

最後に

以上、平成31年度施政方針に基づき、今定例会に提案させていただいております「平成31年度当初予算案」をはじめ、各議案につきまして、ご審議をよろしくお願い申し上げます。
議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。


 

過去の内容

問合先 ふるさと創造部 秘書課
TEL:0790-42-8701 FAX:0790-43-0291 mail:hisho@city.kasai.lg.jp

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