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中条垣内遺跡

平成19年3月18日

はじめに

中条垣内遺跡周辺の水田は、昭和36年度に県営パイロット事業桑原田地区で工事が実施されましたが、埋蔵文化財発掘調査は行われなかったのでその詳細については不明でした。 しかし、平成8年度の分布調査により遺物散布地であることが判明し、集落遺跡の存在が予想されました。その成果を踏まえて、平成9年度刊行の『加西市埋蔵文化財 遺跡分布地図及び地名表』に、桑原田町遺物散布地として掲載されました。 平成16年度、市上下水道部が主体となり、公共下水道事業桑原田地区が実施された際に、市教育委員会で埋蔵文化財立会い調査を行いました。調査の結果、古墳〜平安時代の集落遺跡が発見されました。 今回の調査は市道桑原田中野線拡幅工事に伴い、市道拡幅部分の約1200uの発掘調査を平成19年1月18日〜3月20日の予定で実施しています。

遺跡の立地

中条垣内遺跡は、加西市桑原田町に所在し、標高約42mの万願寺川によって形成された自然堤防上の水田下にあります。 昔の人々は比較的湿気の少なく地盤のしっかりした尾根筋部に家を建て、湿気が多い谷筋部には家を建てずに水田を作るようにしていたようです。というのは、谷筋部は湿気が多く家の柱などが腐りやすいからです。

周辺部の遺跡

中条垣内遺跡の周辺には、網引町に所在する弥生時代の集落遺跡針田遺跡、弥生時代〜平安時代の集落遺跡宮の後遺跡、古墳時代の集落遺跡市場遺跡などがあります。

中条垣内遺跡の概要

今回の調査で弥生時代の円形竪穴住居跡2棟・掘立柱建物1棟、古墳時代の方形竪穴住居3棟・掘立柱建物1棟・溝跡2条、奈良時代の掘立柱建物2棟以上、平安時代の掘立柱建物2棟以上・溝跡2条、5条などが発見されました。 また、弥生土器・土師器・須恵器・耳環(耳飾り)などが出土しました。

作業の様子 発見された粘土魂 弥生土器出土状況

まとめ

中条垣内遺跡は弥生時代から平安時代の約1000年のながきにわたり展開した集落遺跡です。 とくに、今回の調査によって発見された平安時代の集落遺跡は、『東大寺文書』に記載されている「康平2年(1054年) 西郡阿居郷桑原田畠二町」に該当するのではないかと考えられるようになったことは大きな成果といえましょう。 さらに奈良時代中頃の『平城宮木簡』記載の「加茂郡柞原里阿斐」の地は桑原田町あたりではないかと考えることも可能ではないかと思われることです。というのも当遺跡では中型の 奈良時代の掘立柱建物も発見されているからです。 今後の調査の進展を待たなければ確実なことはいえませんが、当地が奈良時代の初めに編纂された『播磨国風土記』記載の「加茂郡楢原里」であることは間違いないと思われます。

問合先 教育委員会 生涯学習課 市史文化財係
TEL:0790-42-8775 FAX:0790-43-1803 mail:shogai@city.kasai.lg.jp

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