第15回「愛の詩」

佳作

題名/原発被災は家畜への愛滅ぼす
氏名/河野 保彦


私の故郷福島は原発放射能で汚染だらけ
立入禁止の地帯を
牛たちは餌を求めて歩き廻っている
歩き廻っているのは牛ばかりではない
犬や猫や珍しい駝鳥までが
飼い主からは家族同然に
目一杯可愛がられ
育てられてきた家畜やペットたちだ
原発被災の緊急事態の発生で
広範囲の地域に緊急避難命令が下され
取るものも取りあえず
素早く大勢が逃げのびることを考えた結果
牛舎につながれた牛たちは
長期間餌を与えられず飢え死にした
牛たちをこの際に自由にしてあげようと
牛たちを結わえた綱を切断して
柵をはずし去り
飼い牛を解き放ってやった飼い主もいた
汚染にまみれて地域を彷徨している牛達は
いずれ放射能を浴びて命を終わるだろう
また飼い主の知らぬ間に…
家畜やペットは害獣として抹殺処分される
原発被災の悲劇は
人間たちばかりではなかったのだ
長年家畜たちに注がれてきた
飼い主の愛情は
無残にも死に体となって
果てるのである

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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