第15回「愛の詩」

佳作

題名/お兄ちゃん
氏名/キセキ


お迎えに行った帰り、車の中でお兄ちゃんに
学校どうやった?楽しかった?
とりあえず聞いてみる。聞こえない訳でもなく今日も何も言わず、窓の外を眺めているお兄ちゃん。

お兄ちゃんは、二歳の時発達に障がいがあるとわかった。

当時、歩く事もなく、喋る事もなく
思い切って行き始めた保育園では、同じ歳の子の中でハイハイしていたお兄ちゃん。自分の思いが伝わらないと大声で泣いたり、お友達を噛んだりしていた。
三歳目前の時、歩く姿が見られたと同じくらいに、お兄ちゃんの落ち着きがない様子が気になりだした。

保育園では、恒例で運動会に発表会。先生と一緒に参加とは言っても、きっと難しいと思っていたのに、お兄ちゃんの名前を呼んでくれたお友達がいました。ウロウロするお兄ちゃんの手を取ってくれたお友達がいました。そこには、お友達の輪に入っていた、お兄ちゃんの姿が見えました。

小学校子供会のクリスマス会、村の人から遊びにおいでよと、お誘いをもらいました。
お兄ちゃんは、みんなと違う学校に行くと決めたから行きません。と言うと、
「何言うてんの?」
「一緒の村ねんから一緒に育てて行ったらええねん!」

思ってもいない言葉に涙が止まりませんでした。

小学校に入学して、大好きなバスに乗って通学しているお兄ちゃん。バス停から帰る時、上級生の子からハイタッチの手を出してもらっていました。そして自分から手を伸ばしていたお兄ちゃん。

帰りの車、窓の外を見ていたお兄ちゃんの顔は、楽しいよ!って今にも言葉になりそうなとっても良い顔に見えました。

良かったね、お兄ちゃん。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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