第15回「愛の詩」

佳作

題名/お腹いっぱい
氏名/大原 直美


「お留守番、お願いね。カレーあるから、あっためて食べてね。」
夕方、突然出かけることになった母は、小学生の妹と、中学生の私に言った。
妹と二人でカレーを食べて、テレビを見ながら母の帰りを待った。
「カレー、お母さんに少し残しておこうか?」と私が言うと、
妹も、「そうだね」と言った。
わりと遅くなって、母が帰ってきた。
「ただいま、遅くなってごめんね。カレー、食べた?」と聞いた。
私は、とっさの思いつきで、
「うん食べた。全部食べちゃったよ!」と言った。
「いいのよ、お母さんはお腹いっぱいだから」と、母は笑った。
私はすぐに、おどけて、
「うそだよー。お母さんの分、残してあるよ!」と言った。
すると母は、
「ああ良かった。実はお母さん、お腹ペコペコだったの」と、また笑った。
私は、ハッとした。もし本当に、カレーがなかったら、母はお腹がすいていることを、私達に言わなかったのだ。
今までもそういうことが、あったのではないだろうか。
「お母さんはいいのよ」という言葉を、前にも聞いた気がした。

私たちは、知らないところでいつも助けられ、守られてきたんだ。
お母さん、ごめんねと、胸が痛くなった。
私たちを育ててくれてありがとう。
大好きだよ

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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