第14回「愛の詩」

佳  作

題名/巣箱
氏名/小山 美佐江


婚約したよと、かわいいお嬢さんを連れてきてくれたのは、私たち夫婦にとって最高のプレゼントでした。

家賃2万円の小さなアパートで、お父さんと始めた家族ごっこ。今年のお正月は9人の家族にふくれあがっていました。つがいのインコが巣箱に出たり入ったりしているなあと思ったら、ある日3羽で出てきた時のあの感動が、自分たちの身の上にも起こったのだと喜びを新たにしました。3人の子どもに恵まれ、育てさせてもらったことに無上の喜びを感じています。

金銭的な援助も何もしてやれなくてごめんね。でも、お金なんか無くても、二人で助け合い信頼しあって生活していけば幸せな家庭が築けるという確信だけは、あなたに残してあげたと自負しています。

お父さんが病気になった時、あなたたちと踏切に飛び込むことまで考えてしまった弱い母を、あなたたちの無垢な笑顔が救ってくれました。この子たちを育てなければと強い母にしてくれました。あの日から、どんなことがあっても生き抜こうと、がむしゃらに生きてきました。財産は作れなかったけど、あなたたちを社会にお返しできたことだけが私たちの誇りです。

あなたたちが巣立った後の巣箱で、お父さんと二人のんびり楽しくやっているから、私たちのことは心配しないでね。たまに元気な顔を見せてくれたらそれだけで幸せです。あなたたちはあなたたちの巣づくりをがんばってください。子どもたちの幸せそうな顔を見ることが私たちの最高のご褒美です。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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