第14回「愛の詩」

根日女賞

題名/ヒッ、ヒッ、フー
氏名/中村 公彦


どちらも初めて
初めてには不安がよぎる
めでたいことなのに不安
分娩室からは悲鳴
看護師が俺を呼ぶ
白衣を着て白帽をかぶり妻の頭越しから横へ
痛がる妻「ウー、ウー」
母親学級で一緒に習ったラマーズ法
「ヒッ、フー」と声をかける
手を握り、妻も声を合わせて、「ヒッ、フー」
痛みが和らいだのか「ヒッ、フー」
ところが、また陣痛
痛がる妻「ウー、イタイ、ウー」
「子宮口が8pになりました」との医師の声
痛がる妻を見ているのは辛い「ヒッ、ヒッ、フー」
なかなか赤ん坊は出てこない「ヒッ、ヒッ、フー」
時間が非常に長く感じる
妻も子も死ぬのではないかとの恐怖心「ヒッ、ヒッ、フー」
こんなに苦しいのか生まれてくるのが「ヒッ、ヒッ、フー」
あかん俺が気を失いそう「ヒッ、ヒッ、フー」
父親になるんやろと自分を励まし、妻を励ます「ヒッ、ヒッ、フー」
「いきんでいきんで」と医者の声「ヒッ、ヒッ、フー」「ウン」
頭が少し出てくる「ヒッ、ヒッ、フー」「ウン」
血のようなものがどーっと、一緒に赤ん坊でてきたが泣いていない
えーっと思ったら、しばらくしたら泣いてくれた赤ん坊
やっと生まれた
生まれることがこんなに苦しいなんて思わなかった
ウインクした赤ん坊の顔と笑顔の妻を見てホッとして大事に育てようと決意した
「ヒッ、ヒッ、フー」を思い出し育てた娘も 
今日が成人式、振袖が似合う
よしみ 成人おめでとう

生まれてきてくれて ありがとう

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

Page Top