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第14回「愛の詩」審査講評

本年度も全国から二千二百五十五点の素晴らしい作品が「愛の詩」事務局に寄せられました。
作品の中に溢れている作者の熱い思いや人生の中での貴重な体験を綴られたものが多く、どれも読む人の心を打ちます。それらの中から数十点の優秀作品を選ぶのは、本当に難しい作業でした。その数多くの中から選び抜かれた作品は、どれも珠玉のようなものばかりです。感動をありがとうございました。

さて、今年の作品の特徴は何気ない暮らしの中で見つけた「愛の詩」が多かったと思います。何か特別な状況の中から詩が生まれるのではなく、日々の暮らしの中にこそ、本当の愛の姿があるのだと改めて思いました。 それでも、あの東日本大震災の体験から生まれた作品もいくつか見られました。特に被災地の救援のため、震災直後現地へ赴き働かれた方の貴重な体験が寄せられ、心打たれました。

妻の出産の立会いで得たもの、生まれ出ずる命の尊さを感じる貴重な体験。自分たちの娘が厳しい人生をたくましく生きる姿から、娘と母との確かな絆を感じ取ったもの。子から親へ親から子へのメッセージも数多くありました。障がいを持つ人と共に生きようという気持ちが素直に表現された作品もありました。

今、私たちを取り巻く社会では、多くの人々の思いや願いに反して、人を平気で傷つけたり悲しませたりするような現実がいろいろ報道され、暗澹たる気持ちにさせられます。しかし、応募されたこれらの詩に見られるように大多数の人々は、豊かな温かい心を持ち、共に生きることを願っているのだと思います。とにもかくにもたくさんの人々との絆を大切にして仲間はずれを作らず、人を思いやる心を広げていきたいと心から思います。

現在もある意味で過酷な競争社会であるという一面は拭えませんが、少数の人々の犠牲の上に成り立つ社会は、決して幸福な社会とはいえないのではないでしょうか。 また、今、子どもたちの中のいじめが問題になっています。子ども社会のいじめは、なにも今に始まったものではないのは事実です。昔から色々な形のいじめがあったと思います。力の強いものが弱いものをいじめる。集団で特定の子どもを仲間はずれにする。馬鹿にしたり意地悪なことをしたりします。しかし、このようないじめを放置しておいて良いはずはありません。このようないじめを無くすためには、私たち大人がいじめの事実をまず見逃さず、見つけ、きちんと解決をしていかなければなりません。最近は、子ども社会が一段と見えにくくなっているように思います。また、子どもたちの集団の形成が未熟だともいえるような状況です。だからこそ、今、大人たちの努力が何よりも必要ではないでしょうか。

そして、もちろん当の大人の社会でも、いじめは存在しているのです。パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントもいじめの一つの姿ではないでしょうか。お互いの人間関係が希薄になり、孤独死なども増えています。このように見てくると、いじめの問題は子どもたちの中で現れた一つの現象としてのみ取り上げるのではなく、人々の生き方の問題としてみんなで真剣に考え解決していかなければならないことだと思います。

そういえば、この「愛の詩」の応募作品の中には仲間、友だちなどを取り上げたものがどちらかと言えば少ないように思います。私たちはこのようにしていじめと向かい合い解決をして、楽しく豊かな暮らしを作り出したというような作品が寄せられることを期待しています。仲間、人と人との絆を考える上でこの「愛の詩」がもっともっと力になれるのではないかと強く思います。私はそう確信しています。

しかし、もう少し広く見ると、寄せられたこれらの多くの作品はみんな人を思いやることから出発しています。そして、人々の幸せを願って生まれているのです。だから、あえて、友だちやいじめにこだわらずとも、とにもかくにも、まず、これらの「愛の詩」が一人でも多くの人に読まれ広まっていくことが大切だと思います。

今年もたくさんの「愛の詩」をありがとうございました。また、次の機会に素晴らしい作品を期待しています。

 

山本 允(元兵庫県人権教育研究協議会会長)

問合先 ふるさと創造部 人権推進課

TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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