第12回「愛の詩」

佳作

題名/遥か故郷
氏名/黒川 周平


玄関を開けると
自転車があり、四畳半があり、神棚があり、ちゃぶ台があった
父と母の新婚の家だった
母がいて、父がいて、兄がいて、妹がいた
小さい小さい家だった
正月がきて、お盆がきて、祭りがきて、餅つきもした
いろんな人が来て、いろんな家に行った
ムラはみんなが大家族だった
テレビが無くても紙芝居がやって来た
クーラーが無くても団扇があった
冷蔵庫が無くても井戸があった
味噌が無くても隣りにあった
コメが無くても向かいにあった
お金がなくても貧乏ではなかった
貧乏で無くてもお金持ちではなかった
みんなみんな笑っていた
なんでもかんでも笑っていた
そんな故郷が無性に恋しい
父や母が無性に恋しい

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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