第12回「愛の詩」

佳作

題名/春一番
氏名/植田 尚宏


白樺の木立ちの隙間から
春の日差しが差し込み
やっと北国にも春が
やってきた
蕗の薹も開きだし
水芭蕉は白い冠の中に
黄色い顔が春を告げている
いつものように妻と二人で
家近くの山へと向かった
リスがあわただしく走り廻る
長い冬を終え
やっとの春の芽が彼等にとって
最高の季節でもある
妻はクルミを手のひらに乗せ
リスの前に差し出した
頭を何度も何度も下げて
ありがとうと言っているように
しきりに両手を上下に揺すりながら
食べ始めた
木立ちの隙間から
なにやら見ている小鳥
アカゲラだ
今にも飛んで来るしぐさで
しきりに尾の羽根を震わす
でもリスは知らん顔
なおもクルミを両手にはさみ
お食事やめず
私は持っていたパンを
木の枝に挟んでやった
するとアカゲラは
待ちかねていたかのように
飛んで来た
しきりに長い尾を
上下に揺すりながら
久しぶりのご馳走にうれしそう
やがてリスといっしょに
山に帰って行った
ほんの春らしい
小さな出来事

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

Page Top