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第12回「愛の詩」審査講評

今年の応募作品の総数は二千九百九十三点、例年のごとく全国から貴重な作品が寄せられました。今年は中・高校生を含めて若い人達の作品が目立ちました。親や大人たちを批判的に見たり、時には反感を持ったりすることがあっても、結局自分たちのために必死で働く親へ、素直に心から有難うと言うその心情が読み取れるとき、やっぱり心打たれるものがあります。「私の人生はあなたの涙と共にある」と書いた二十歳代の若者の作品がありました。小学生の時喧嘩をして帰った時に母が流した涙、高校生の時、人生の岐路に立った母の涙、そして今離れて暮らすようになった自分に涙声で語る母、「何だか、悲しい涙のほうが多いような気がする。だから今度は、うれしい涙を流してもらいたい。」と締めくくっていました。

また、年老いた女性がさらに年上の姉に贈った詩がありました。病に倒れ、一人で暮らすことが出来なくなりホームへ入所し、それでもひたすら生きることを考え続けた姉にひまわりの花を捧げるという詩でした。人々は高齢者社会などとたやすく言いますが、人生の終焉を迎えた人々の言いようのない悲しみ、はてしない暗闇の淵に立ったような不安の気持ちを、私達は感じ取らなければならないと思います。そして尚、子や孫のことを思い、その幸せを願う心情も。

故郷を思う詩も例年の事とはいえ多く、素晴らしい作品もありました。山奥の過疎の村を捨てられず結局老夫婦だけが残って暮らしているという厳しい現実を、作者は美しい自然の姿とともに私達に訴えかけています。

「愛」とは結局「思いやり」ではないかという考えがあります。他を思いやることが対象を愛することだということです。しかし、この思いやるということは考えてみるととてつもない広がりと深さをもっていると思います。対象は何か、人か親か子か男か女か若いか年寄りか人でなければ自然か神仏か動物かと、対象となる相手が無数にあります。同じように作者自分自身にもその年齢や生きてきた歴史、思想、置かれている立場により違いがあります。さらに、社会の状態、環境も作品に少なからず影響を及ぼします。

従ってその中から生まれてくる詩は無数にあります。きらきらと光り輝く作品もいっぱいあって、読む人を感動させると言えないでしょうか。

詩を書くということは素晴らしいことだと思います。これからも心に感じたことを書き続けてください。お願いします。

いつも思うのですが、この作品集に掲載された詩は応募された作品のほんの一部に過ぎません。掲載されなかった作品もそれを綴った人のかけがえのない宝物だと思います。どうか大切にしまっておいてください。

今年もたくさんの「愛の詩」を有難う。

山本 允(元兵庫県人権教育研究協議会会長)

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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