第11回「愛の詩」

佳作

題名/おかん
氏名/福本 詳万(兵庫県)


「脳性まひ」という障害を持って産まれてきた僕を、おかんは旅行などの遊びにも行かず、これといった趣味も持てないほど四六時中、僕の手となり足となって、いつも付き添ってくれた。二十歳のときに、さらに僕が難病になり、一層の心配や面倒をかけてしまうことになった。妹が嫁ぎ、おとんが他界してからは、おかんと二人三脚の生活になった。

電動車イスで外出するようになった冬の夕暮れ。車イスの作で冷えきってしまった僕の手をさすってくれたおかん。おかんの手も冷たくてカサカサしていたけど、暖かかった。

三十代後半となった今でも何をすれば親孝行になるのか分からない。最近、腕や膝が痛いと耳にするけど何も手伝ってあげられない。

僕がヘルパーに手伝ってもらいながら一人暮らしをして、立派に生きていける姿に安心させてあげることが親孝行だと思っても、今のおかんとの暮らしがどうしても拭えなく、一緒に居られる残された幸せな時間を大切にしたいという気持ち。それから今になって独りになるおかんも気がかりだ。

些細なことでよく口喧嘩をするけど、「詳万と居ることが幸せ……」と笑ってくれる。おかんの息子で良かった。口では言えないけれど、この上なく感謝しているよ。今の世で親孝行できることが一番いいのだけれども、生まれ変わってでも必ず恩返しするからね。

こうして詩を書いていても、いろんな想いが込み上げて「ありがたさ」で目頭が熱くなってくる。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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