第11回「愛の詩」

優秀賞

題名/命をありがとう
氏名/神馬 せつを(石川県)


居眠り運転のダンプカーに追突され、家族が乗っていた自家用車はペシャンコに踏み潰されてしまった。複雑骨折した肋骨が喉からとびだし、手足の関節はバラバラで、仕事どころか、人間としての再起さえ危惧される状態だった。

私ひとりだけが生き残ったことによる心の痛みは癒しようもなく、孤独感や絶望感から逃れるための自傷行為を繰り返すという体たらくだった。

そんなある日。真冬の深夜の廊下から、♪この坂を越えたなら 幸せが待っている♪という優しげな歌声が聞こえてきた。そこには、私たち患者の洗濯や糞尿の処理までしてくださる介護士さんの姿があった。もう死ぬことだけを考えていた私の背筋に激しい衝撃が走り、思わず介護士さんに頭を下げていた。

そんな姿を目撃してからは治療にもリハビリにも真摯な気持で取り組めるようになり、なんとか療養生活を卒業することが出来た。

「人間の知恵や技能は無限です。生かされた命なのですから、ご自分に出来る仕事を、心を込めて続けていってくださいね」と励ましてくださった介護士さんから、笑顔で働くことの素晴らしさを教えてもらった。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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