第10回「愛の詩」

佳作

題名/方言は、抜きたくないの…
氏名/菅中 沙都姫(福岡県)


平成十八年元旦。この日私が、一生一緒にいたいと思える人と無事に入籍できたのは、お父さんとお母さんのおかげだよ。

二十三歳で、故郷の鹿児島を離れて一人、福岡県北九州市へ行き、新しい土地で看護師として働いたけど、慣れない土地での一人暮らしは、あまりにも淋しくて、何度も何度も泣きました。

でも、自分で決めた事だと、私なりに八年間がんばってきました。だけどね、私が頑張れた一番の理由は、お父さんやお母さんが時々送ってくれる手紙だったんだよ。

その暖かくて優しい文字で、「沙都姫なら頑張れるよ」「いつでも帰っておいで」と書かれた手紙だったんだよ。その手紙は、壁に貼っててね、引っ越したり、部屋の模様替えをしたりする度に、何度も押しピンで刺されてしまって、四隅は穴だらけだよ。暖かくて優しい文字も私の涙で何ヶ所も滲んでる。ふるさとを離れて自分を無くしそうになった私を何度も支えて、何度も励まして、元気付けてくれた手紙。本当にありがとう。

私ね、北九州市に来て、もう八年も経つけど、職場の同僚や仲間達から、「鹿児島弁が抜けないね」って言われるの。でも本当は違うの。鹿児島弁、抜けないんじゃなくて、抜かないの。私の中から、鹿児島を、ふるさとを、大切な両親のいる場所を、なくしたくないの。その思いだけなんだ。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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