第10回「愛の詩」

審査講評

記念すべき十周年を迎えた『愛の詩』、その区切りの年にふさわしいすばらしい作品が数多く事務局に届きました。
遠くヨーロッパからの投稿も含めて二千八百五十五点もの作品が寄せられました。これまでの最高です。

読んでいくうちに、作者の心底から他者を思う気持ちや、無償の行動に触れ、何度も涙ぐみました。なにげない日常の暮らしの一部分を切り取って、ありのままに文章に綴ってあるだけなのに、深く感動を呼ぶ作品があります。それは、なにげない日常を、作者が一生懸命に生きているからだと思います。

今年の作品の特徴として、次のようなことがあげられます。

はじめに、応募作品の数の多さもさることながら、質の高い作品が多かったと思います。それぞれの作品がストレートに読む人の心に響いてきました。

次に、障害のある人自身や、その周囲の、障害のある人達とかかわりのある人の作品が目立ちました。勿論、ことさらに障害のことを取り立てて言うのではなく、ともに生きる人間どうしとして、互いに相手のことを思いやって日々の営みを積み重ねていくといったものです。

養護学校の先生が、成人式を迎えた卒業生のことを思い、彼らの幸せを願った詩がありました。在学している間手塩に掛けて育んだ教え子は、いつまでもわが子のように気になり、苦しんでいればとんでいって、手を差し伸べたい存在であることがよく分かりました。

また、例年のことですが、日常の生活の中から生まれた作品が大半をしめています。けれども、今年は若い人達の、家族を思う作品が目立ったように思いました。「おーい、母ちゃん」と懸命に働く母に宛てた感謝の言葉。半年ぶりに帰省し両親に温かく迎えられた青年の詩もありました。

子から親や祖父母に宛てた愛の詩、反対に両親や祖父母から子や孫のことを案じる詩もいっぱい寄せられました。

この作品集に掲載された詩はごく一部に過ぎません。掲載されなかった作品の中にも読む人の心を打つものがたくさんあります。それらの詩は綴った人の大切な宝物だと思います。どうか大切にしてしまって置いてください。

たくさんの『愛の詩』を有難うございました。

(元兵庫県人権教育研究協議会会長)
山本 允

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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