第9回「愛の詩」

佳作

題名/幸福の団欒
氏名/漆原 正雄(鳥取県)


我が家は世界一よく笑う
朝起きてお父さんがお決まりのおならを一発
夕食のときはお母さんが主婦話を聞かせてくれて
おばあちゃんもときどき冗談を飛ばす
ぼくも負けじとしゃべりまくる
わはははと大きな口あけて身をよじらせ
涙をぬぐいながら
隣近所の顔色なんてお構いなし
些細なことも はたまた一大事も
悲しいときも 雨のときも
笑いとばすのが我が家の風習
もちろん 嬉しいときは家が傾くくらい
みんなで笑い抜く
だからぼくは つらいときも死にたいときも
笑って乗りこえてこられたのだ
身体にハンデをかかえている
ふつうの人よりも劣っている
でも それがどうした
我が家はふつうのうちよりも
たくさん笑って
たくさんしあわせを呼んでいる
もっと来い
しあわせよ もっと来い来い
しあわせは 笑顔の人にしか来ないのよ
これはお母さんのセリフ
しあわせくんを合わせたら 我が家は五人家族だな
これはお父さんのセリフ
しあわせくんは ごはん食べないから 経済的に助かるね
なんてぼくが言うと
すぐに笑いの反応がかえってくる
わっはっはっは
お父さんの豪快なしゃがれ声
お母さんの軽やかな身の動き
おばあちゃんの上品な手の仕草
今夜もぼくたちの笑い声が
くるくるくるくる 踊りだす
ただひとつ 困ることは
笑っているときの涙が
ときどき温かくて嬉しくて
笑い以上の涙に変わってしまうこと

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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