第8回「愛の詩」

佳作

題名/母の親指
氏名/たんぽぽ(千葉県)


指圧師の母の親指は、石のように硬い。人の凝りをほぐし続けて変形してしまった指。人の痛みを吸い取るたびに少しずつ太くなっていった指。

久しぶりに帰ると、「ちょっと診てあげよう」と私の肩に手を置く母。「いいから。疲れているんでしょ」と言いつつ、誘惑に負けてコチコチの体を母の手にゆだねる私。母の指先から温かい力が伝わってきて、ゆらりとくつろいでしまう。

庭には秋の草花が風に揺れ、母のまいた米に小鳥が集まってきている。身も心も軽くなった私は小鳥のようにさえずりたくなる。

老いても老いても母は与える側になろうとする。驚くほど柔らかい笑顔で。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

Page Top