第7回「愛の詩」

佳作

題名/父へ
氏名/秋桜(コスモス)(神奈川県)


貴方は、世界一、宇宙一、無限界一、誰よりも私を深く深く愛してくれました。
それは、あからさまに過保護で、まるでガラス細工を扱うが如く、真綿で包む様にして育ててくれたのです。そんな貴方が生涯に三度だけ、その仏様の様な容貌が、鬼の形相に変わった事がありましたね。

一つは、六歳の頃、まだチョコレートが高価な時代でした。喜んで食べる我が子の顔を見たいが為、無理して一日おきに購入していたある日、私が手に受けた時、すでに割れているのに腹を立ててそれを投げ捨てた瞬間。

二つ目は、中一の時、学校や社会、全てに対して反抗的で隙を見てはズル休み、何の意欲もなく、抜け殻の様な日々を送っていたある朝、いきなり貴方は教科書や鞄を外へ投げ捨て、唖然としている私に向かって来ました。慌てて私は外に出ると鞄類を拾い、学校に向かって一目散、とうとう校内に入るまで追っかけて来たその間中。

最後は高校を卒業した年の冬、仕事帰りに羽目を外し過ぎて、帰宅は午前様。少しほろ酔い気分で玄関に入るや否や、おもいっきり私の頬を叩いた時でした。

仏様の様に優しいのが表の愛ならば、鬼のようになって叱るのは裏の愛。そのどちらもが欠ける事なく、片寄らず、まさに表裏一体の愛情を沢山注いでくれてありがとうございました。
そのおかげで大きく道を外す事なく、真っすぐ歩いて来れました。

貴方から受けた愛情は、今、私を通して孫達に伝わっています。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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