第7回「愛の詩」

優秀賞

題名/背中越しの愛
氏名/さ と い(オーストラリア)


このごろ娘がやけに冷たい、そう言うアナタ。

抱きしめようとすると、プイと横を向く娘。
おやすみのキスも、口をへの字に曲げて抵抗する娘。
パパの愛情を真っ向からはねのける、小さな小さな一歳半。

昨晩だって、「ばー(ばいばい)」と追い払われて、
とりつくしまもないよ、と半泣きでいたアナタ。
遅くまで仕事を頑張ってきたのに、そりゃないよね。

くたびれたスーツとため息。
今晩もきっと、娘が喜ぶ表情を探しながら帰ってくるのかな。

ちょっと可哀相だから、そっと教えてあげるね。

あの子、実はいつもね、
玄関の鍵を開ける音に、耳をそばだてているのよ。
「ただいまぁ」って声に、寝ていてもガバッと飛び起きるのよ。
でもね、アナタの顔が見えた途端にクルリと踵を返して
「待ってなんかいませんでした」って態度。
あんなのいつ、覚えたのかしら。

「よっこらしょ」
片手で靴下を脱ぎながら
片手で娘を肩に抱えあげるアナタの
背中越しに見える娘を見せてあげたい。
だって、わざと歪めた口元から、笑顔がこぼれそうなんだもの。

パパ、娘の成長って、早いよ。
今度の休日はずうっと一緒にいてあげてね。
そして、あの笑顔を正面から拾い上げてやってね。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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