第6回「愛の詩」

佳作

題名/一人で歩く道
氏名/長田 智子(兵庫県)


自閉症の息子は今、小学校2年生
重度の子供の受け入れに自信がないと
言っていた学校側も、地域の子供とともに育ち、自閉症という障害への理解をひろげたいという、親の想いと
「がっこういきたい」という息子の願いで
息子の小学校生活はスタートした。
今、一人で学校に行く練習をしている
信号まで送っていく
ボタンを押して青になるのを待っている息子
赤で突っ込んでくる車があるので、信号よりも、車が止まっていることを確認して
渡ったほうがよい。
そのことをしょうたは自分で学びとったほうがよい。
私が横にいて、指示を出しては、自分で見る、自分で考えることをしなくなる。
離れて見守ることは、本当に神経がすり減ってしんどい。
できれば、ずっと手をつないで、しょうたを庇って生きたい気持ちと戦っている。
ずっと手をつないでいたら、本当は楽だろう。
他人には大変そうに見えても。
しょうたは知的にも重度な子どもなので、そうしている人はいっぱいいる。
けれどもこの子には行動力があり、根拠のない自信がある。
それがこの子を今後も支えていくのだろう。
信号を渡ったところで、「そしたら、ここでママはバイバイね。行ってらっしゃーい」と言うと、タッと駈け戻って「だっこ」ぎゅっと抱きついて、パッと離れて歩き出した。
近くだけど、息子にとっては遠い距離。
不安げに何度も振り返り歩き出す。
この子が私を振り返ったことって、あっただろうか?いつも勝手にバーッと走り出し、私はあとをおうばかりだった。
あっ、車が来た。大丈夫、道の端によけて、じっとしている。
学校の前の鎖で仕切った歩道のほうを真面目な顔で歩いている。
また、私を振り返った。バイバイと私が手を振ると、息子も小さく手を振って、脇目も振らず学校に入って行く。
「おおー!すごーい!」担任や周りの人たちの歓声が聞こえた。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

Page Top