第5回「愛の詩」

佳作

題名/家族の木
氏名/佐藤 貴典(福島県)


兄ちゃんが就職先の東京に上京して、はや三年。その間、一度も家に里帰りしなかったね。今年の春には必ず帰ってきて欲しいと、僕を含め母も父も思っています。なぜなら、家族の一人が居なくなるからです。それは、家の裏の土手にある大きな一本の桜の木です。

僕が物心ついた時から、毎年その桜の木の下で、家族で花見をするのが、恒例になっていたあの木です。僕と兄は小さい頃から、桜が咲かなくとも、いつもその木に登って遊んでいたり、その木の上に上り、悩みごとや、考え事をしたり、とても愛着があり、まるで兄弟のように慕っていたよね。

そこの土手が今年の夏から、分譲される事になり、潰される事になってしまったのです。と同時に、その桜の木も抜かれてしまうわけです。この大きな桜の木が、きれいな花を咲かせるのも今年が最後であり、満開に咲いた時のあの感動も見納めになるわけです。

毎年、花見の度に、その桜の木をバックに家族で記念撮影をしましたね。

最後に兄ちゃんも含めて、家族の記念写真を撮りたいのです。
この三年間、兄抜きで撮ってきた家族写真は、やはり寂しい感じがします。家族一人が居なくなるのはこんなに寂しいのかと実感していました。そんな矢先にこの桜の木が、無くなるという事は、今回がラストチャンスです。なぜなら、この木も家族の一員。最後に家族全員の思い出の写真を撮りたいです。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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