第4回「愛の詩」

佳作

題名/夫、友人、地域の方に
氏名/幸せ者(兵庫県)


言葉は諸刃の刃。人を殺しもし、また、傷ついた心を癒し生き返らせてくれる。

孫から「お祖母ちゃん」と呼ばれる歳になって初めて経験した、人間の恐ろしさと限りない温かさ。

言葉の暴力を受け始めて数ヶ月経った頃、歩行、摂食、家事一切ができなくなり、そのうえに昼夜を問わず止めどなく流れる涙。家業に追われる夫に「心配をかけては」との思いで、何とか繕ってきたが、それも限界に達し、助けを求めた時は身も心もぼろぼろの状態だった。

「分かっとるで、分かっとるで。」

夫はこう言いながら私の両手を包み込み、力強く握ってくれた。夫の家族に対する愛情は、これまでにも余りあるものではあったが、この度のことで包容力の大きさを改めて実感した。

だが、家族だけではない。隣り近所の方々や友人の励まし、温かい眼差し、心のこもった気遣い等、出会えば挨拶をする間柄の人や、世間並みの付き合いしかしていない方が掛けて下さる言葉や仕草が、「頑張れ」が禁句の私に、どれほどに心に安らぎをもたらしてくれたことか。傷ついた者に、こんなにも優しくできる人たちが大勢存在することが、病んだことによって初めて知ることができた。

あれから五年。廃業した夫は

「あの時はおまえを守るため、何度(家業を)やめようかと思ったか知れない。」
と笑いながら言う。その笑顔に支えられながら、今日もカウンセリングに通っている。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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