第4回「愛の詩」

佳作

題名/娘へ
氏名/吉村 金一(佐賀県)


結婚十二年目に、やっと星花が生まれたんだよ。本当は、若くてかっこいい父さんになりたかったから、待ちくたびれて、どこで道草をしていたのと、ぼやいたこともあったんだよ。でも、忘れずにきてくれて本当にありがとう。

病院へ向かう途中、父さんは薬用石けんを買ったよ。惣菜製造販売の仕事をしているから、手は油でベトベトだから、ごしごし洗ってから星花にさわろうと思って。

「かわいいなあ。」

「うん。」

これは分娩室で長い間、息をひそめて小さな星花に見とれていた父さんと母さんの短い会話だよ。

帰り道、父さんは市役所へ直行して『星花』と出生届を出してきたんだよ。女の子だったら、この名前にしようと母さんと決めていたからね。星のように、花のように、誰からも愛される女性になってほしいと願いを込めて。

早いもので星花も来年から小学生になるんだね。星花がくじけそうになった時、教えてあげるよ。初めて星花が父さんの指を握り返した時の驚くほどの力強さは、父さんをゾクッとさせたことを。星花が生まれてくれて、我が家はとても明るくなったよ。

本当にありがとう。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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