第4回「愛の詩」

優秀賞

題名/我が家の山茶花へ
氏名/西沢 喜文(兵庫県)


我が家は、建って七十七年になる。母が生まれた年に祖父が建てた。子供の頃、家の周りには、山茶花の垣根が有った。
寒い朝、垣根の横で、隣の自転車屋のおじさんが、ドラム缶で焚火をした。いつも、僕は、ちょっとあたって体を温めて、学校に向かった。

垣根の中の前栽には、いろんな木が植わっており、びっしりコケが蔓延っていた。僕はよく君達の上に登って一人で遊んだ。君達の中は、蚊の住家でもあり、蜘蛛の巣のメッカでもあった。だから、蚊とり蜻蛉がやって来た。

でも、君達の根っこが張って、石垣を壊してしまうので、引き抜かれてしまった。今は、君達を植えた祖父も亡く、隣の自転車屋もない。引き抜かれた君達は、屋敷の片隅に植えられている。
「俺たちは、この屋敷を守っていたのだ。」
今も、背筋を伸ばして、木枯らしの中で、美しい花を咲かせている山茶花。君達は、我が家の生き証人だ。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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