第4回「愛の詩」

優秀賞

題名/背の温もり
氏名/小堀 彰夫(大阪府)


おばさん有難う
おばさんの顔、お姿も覚えておりません
しかし、私の背はおばさんの温もりを忘れたことがありません
終戦の年、私が三歳の時、一歳の妹と母の三人は四国の疎開先から大阪へ引き上げてきたのですが、交通機関は混雑を極めていたそうです。
岡山からどうにか乗せてもらった列車は貨車。
それも屋根のないトロッコ型。
トンネルに入ると煙突から火の玉が飛んできます。
私の覚えているのは、大きな火の塊が襲ってきた時、横の見知らぬおばさんが咄嗟に私に覆いかぶさり、私を守ってくれたことです。
母は一歳の妹を抱いていてどうにもならなかったのでしょう。
その時の背中の温もり。
おばさんの体温と心の温もり。
それは、今でも私の背に残り続けています。
それが、私のこの世に生を受けて初めての記憶。
初めての記憶がこのような暖かいものであることに、感謝しています。
幸せです。
おばさん有難う。
還暦を迎えた今も、
その温もりは私の背にあります

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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