第3回「愛の詩」

佳作

題名/お父さんへ
氏名/谷 季里子(北海道)


三十六回目の誕生日の朝
久し振りにやっちゃいましたね、お父さん
誕生日に誰かとケンカをするのは2回目で
前は、留学先で外国人とだったから
あの時は、さすがの私も泣いちゃいました

何も言わずに飛び出して
本屋で立ち読みなんぞをしていました
ゆっくり歩いて帰ってきたせいか
意外に良い
「ただいま。」
が言えたかなあと
我ながら感心していたら
「ほら、食え。」
って缶ビールと鮨折を出してきてくれましたね。
「一緒に食べようよ。」
って言ったけど
「お父さんもお母さんもすんだから。」
ってだけど
「このウニいけるね。」
って言った時、珍しくお父さんがノーコメントで変だなあと思ったら、台所のゴミ箱にあったのは一まわり小さな鮨折でした。
「ほら、もう一本飲め。」
って冷蔵庫からビールを取ってきてくれるから
「それじゃ、生んでくれて有難う。」
なんて言ってしまって照れました。
「お父さんは優しくて良い人です。でも、できればお母さんにも乱暴な言葉遣いはしないでください。」
本当はこれも言いたかったのだけど珍しく二人、ソファに並んで座っているから今日は良しとしておきました

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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