第3回「愛の詩」

佳作

題名/愛の告白
氏名/後藤 順(岐阜県)


父さんが癌で入院したことを僕たち家族が隠していたことを許してください。末期の肝臓癌だと父さんに言える勇気はありませんでした。いつも母さんといがみ合っては「おまえと結婚したことが俺の人生を狂わせた。」と夫婦げんかをしていました。その度に、僕や弟が身を縮めて押し入れで泣いていたことを知っていましたか。母さんが僕たちの手を取り、家を出ようとしました。父さんは酒に酔いつぶれて眠る真似をしていたことを知っていました。

父さん、末期癌での痛みをこらえて僕たちが見舞いに行くと笑顔で対応してくれたことを忘れません。母さんが下の世話したりあれこれとの愚痴を聞いてくれたと感謝の言葉を僕たちにしてくれました。母さんが僕を廊下に連れだして
「父さんが初めて私を愛していると言ってくれた。見合い結婚だから、愛なんてなかったとに。」
と言った言葉が忘れることはできません。あれ程、父さんが「女なんか男に従えばいい」と力説していたのに、ようやく夫婦が和解できたと思いました。

父さんが亡くなって5年が過ぎました。あの世での生活はどうですか。母さんがすぐにでも行きたいと言っています。だけど、僕たちはそれを少しでもくい止めようと、この世での楽しさを望んでいます。先日も、母さんはハワイ旅行に行きました。あれ程出不精の母さんでしたが、最近ではグランドゴルフの名選手だそうです。父さん、僕たちを見守っていて下さい。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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