第3回「愛の詩」

佳作

題名/娘の旅立ち
氏名/水原 愛蘭(東京都)


結婚が認知されず娘は苦闘していた。3年を既に経過していた。苦節何年の演歌の世界じゃあるまいし、ちゃかしてはみるものの実に酷な話である。
「日進月歩の時代に流行らないね」母娘で一笑すれど解決策も無く陰々滅滅たる心境であった。先様の親の頑な心が解禁されるのは何時なのか。首を縦に振らない理由? 只韓国人というだけ・・・。
「何故日本人に蔑視されるの? 何故? 」
娘は頑迷固陋な人間を説かねばと辛労し権高な物言いにも耐えていた。教職に就し、社会人として承認されるべく日々邁進していた。娘可愛さの余り辛酸を舐め埒の飽かない現況に腹立たしく、私は結婚の諦観を下命した。
「私のことわかってくれないのね。」
娘の溢るる涙に呆然と立ち竦み言葉を失くした。貫こうとする強靭な2人の愛、誰に裂くことができよう。 時節は流れた。岩をも通す意志に4年有余の禁は解かれた。娘の心中に迸るほどの歓喜が沸いていたのであろうか。晴れがましい顔に涙はない。誓った愛を悠久に保持するのは至難の業である。互いの慈愛に満ちた眼差しに包まれ夫婦の道程を全うしてほしい。不思議な縁で結ばれし男と女。新生新郎新婦に乾杯。
娘よ燦然と生きよ。母は切願して止まない。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

Page Top