第3回「愛の詩」

審査講評

「愛の詩」の審査を終えて

今年も全国から、1000点をはるかに越える作品の応募がありました。作品を読んで感じた今年の特徴をいくつか述べたいと思います。

例年、親を思う子供の愛、子を思う親の愛が主流であり、そのことは今年も同じで、読むものの心を打ちますが、今年は少し違った内容のものが目立ちました。

21世紀は「人権の世紀」と言われていますが、特に「平和」を願う詩がいくつかありました。自分の戦争体験を綴ったものもありました。中東の戦渦に否応なしに巻き込まれる、地域の子供たちの身を案じるものもありました。一人ひとりが戦争について真剣に考え、世界平和の実現に向かって努力していきたいものです。

さらに、障害のある人からの発信、障害のある人への周囲の人からのメッセージもありました。「障害」は人間としての違いであり、その違いを認めあって共にくらそうという意味のメッセージでした。

昨年もブラジルからの応募がありましたが、今年は韓国人の母として、娘さんの国際結婚の様子を綴った作品が届きました。困難を乗り越えて結婚を成就させた娘さんの努力とその心情をいとおしむ母親の心が読む人の胸を打ちます。私も心からおめでとうと言いたいと思いました。夫の海外への転勤で、日本人として国際社会の中で生きる意味が理解できたと言う文章もありました。国際化の進む中で、ぜひ考えていかなければならないことだと思います。

母親にとって出産することは、長い間の辛抱と苦痛を伴うことですが、それを乗り越えて新しい命を誕生させた喜びは、何にもかえがたいものといえるのではないでしょうか。
この世に生を受けた子どもに対する無条件の賛歌がいくつもありました。そのどれもが読む人の心を打ちます。

「愛の詩」というと何か大上段に構えなければならないように思いますが、愛はいつでもどこでもあるものだと、沢山の作品に囲まれて感じました。いつもの公園で、落としたハンカチを拾ってくれた青年の何気無い行為に感謝したり、帰省で小さな無人駅に着いたとき、帰りを心待ちしてくれていただろう母の姿を発見したときの母への思いなど、これらの一つ一つを大切にして人は生きているのだと思います。
今年もたくさんの愛をありがとう。

(兵庫県人権・同和教育研究協議会会長)
山本 允

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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