第2回「愛の詩」

佳作

題名/古希の誕生日
氏名/大川 博行(兵庫県)


その日がやってきた
家人には何も告げず 商店街へ急ぐ
露天の花屋で
老婆に見繕ってもらい 数本の花を
ケーキ店で ショーウインドウを覗き込み
出来合のケーキを
文具店にて色紙を 買い求めた
勇み足で帰宅すると 家人は不在
私はこれ幸いと うなずいた

食卓に花を飾り
色紙に
「古希の誕生日おめでとう
優しい言葉もかけず 苦労の四十年
口にはせぬが 感謝している
この気持ちを 笑わないで」
と書き 家人の帰りを待つ
今日は妻のバースデー
それも古希のバースデー

妻が帰ってきた 開口一番
「何よ これ」
無言で色紙を差し出すと
「今日は私の誕生日 それも古希の 忘れてた」
「おめでとう」
「こんなお祝い 結婚以来初めて」
妻は絶句 目頭を押さえている

『何よ 今更 と言わないか』
心が動揺していたが
私の気持ちは通じた
「ありがとう 気にかけてもらって」
勝手気ままな 私からの愛のメッセージ
この気持ちを忘れずに続けます
永遠に

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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