第2回「愛の詩」

佳作

題名/娘へ
氏名/榊原 紀枝(愛知県)


本当はね、とても怖かったよ。
あなたのママになるってこと。

日毎大きくなるお腹をさすりながら、
いつも不安を抱えてた。
それは多分ママが、
自分自身を好きでなかったから。

本当はね、「感謝」なんて知らなかったのよ。
辞書で引いた意味だけが、
ママの頭の中にあっただけ。
それは多分ママが、
自分のことしか愛せなかったから。
十月のある日、
あなたは秋風にのってやってきた。

はじめてこの胸に抱いた時、
何故だか涙がポロポロこぼれ。
止められない涙があるってこと、
理由のわからない涙があるってことに、
ただ呆然として、
それでも確かなぬくもりだけは感じてた。

ママはあなたにあえたことで、
心に引き出しを増やせたのかもしれない。

自分じゃどうしょうもなく溢れ出す、
先の事なんてどうでもいい、
そんな気持ちをしまった引き出しは、
ずっと持ってなかったもの。

ありがとう。
生まれてきてくれて、
本当にありがとう。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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