第2回「愛の詩」

佳作

題名/父の手 母の手
氏名/坂田 千穂子(兵庫県)


幼い頃の思い出は 綿菓子の香り
父と出掛けた 夜店 縁日 秋祭り

人ごみの中 はぐれないように
路地の中 まよわないように
いつも私の手を離さなかった父の大きな手
「好きな所へ行かせて」
逃れたがったのは私の小っちゃな手
そっと手をすぼめて何度も振りほどいた
でも気がつけば知らない間にまたつながれていた

獅子舞のお面の噛みつきそうな大きな口も
おなかに響く太鼓の音も
本当はちょっと怖かったけれど
安心していられた あなたの温かい手の中で

少女の頃の思い出は コトコトお鍋の踊る音
母と過ごした台所 少しでもそばにいようと

私は口だけ動かして
母は全身動かして
あっという間にごちそう並べた母の魔法の手
しゃべり疲れてほおづえをつく私の怠惰な手
もっと手伝えばよかったね
手を休めずに ずっと話し聞いてくれたね

冬には水が冷たくて あかぎれにしみたでしょう
赤チンだらけの手は働き者の辛い勲章
それでも私は自分の少し小さな手を見て
まだまだあなたに甘えていられると思った

両手いっぱいの幸せくれた
父の手 母の手

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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