第2回「愛の詩」

佳作

題名/おばあちゃんへ
氏名/吉村 金一(佐賀県)


私は美しい手というのは、ずっと白魚のような手のことだと思っていました。つるんと
した手の甲に細長い白い指。そして指先には桜貝のような爪。
ところが、この間九十二歳のおばあちゃんの手を見て、やはり美しいと思いました。
手にはしわが寄り、青い血管が浮き出て、ところどころにしみがあり爪はもうつやがな
く輝きを失っていましたが、温かくて優しさが伝わってくる手なのです。鍋を磨き、やか
んを磨き、台所を磨き続けた手は、いつまでもつるんとはしていられません。
でも、家族のために食事を作り、十一年間も寝たきりのお姑さんの面倒を見たとい
うその手には、白魚の手には負けない美しさがあると思います。お姑さんは一度も床
ずれができなかったそうなので、おばあちゃんの介護は至れり尽くせりだったんでしょ
うね。
おばあちゃんが病気になったら私がその手を握りましょう。元気で長生きしてください。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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