第1回「愛の詩」

佳作

題名/親友に復興誓い 瓦礫見る
氏名/古市 忠夫


君の命を奪った嫌悪感でいっぱいのあの憎っき大地震。

瓦礫の中に立ててあった君の墓標に好きだった六甲の水を供えた。飲んでくれたか。

手を合わせながら話をしたあの日、君の分まで復興に頑張ると誓ったあの日からもう五年がたつのか。涙が出てとまらなかったのを今でもはっきり覚えているよ。

今、街の中では工事の騒音があちこちから聞こえてくるよ。君にも聞こえるだろう。死んだ街が生きかえる音なんだよ。復興に向かってかけ登る行進曲に聞こえるだろう。

その騒音が消えていく時どこからともなく人の笑い声が聞こえてくるよ。その笑顔と笑顔が素晴らしい街を再生していくのだね。君がきっと喜んでくれる街がもう目の前だよ。

俺も新居を建て初めて風呂に入って嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかったよ。思わず風呂の中で感謝合掌したあの日からちょうど二年がたつよ。

どれだけ沢山の人から助けてもらった事か人の優しさや思いやりや人の愛情をどれだけ有り難く思ったことか。風呂に入って流した感謝の涙を生涯決して忘れてはいけないと思っているよ。

私達被災者の価値観は変わった。大切なのは物ではなく、人間の愛であり優しさであり人を思いやる心であるとわかった。

でもそれがわかった時には余りにも大きなものを代償として喪失したよ。

五年前に誓った君との約束を一月十七日の朝合掌しながら静かに報告するよ。

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

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