第1回「愛の詩」

根日女賞

題名/息子への手紙
氏名/木村 ふみ


この世のものとは思えない断末魔のような声をあげ、小学校の下駄箱の前でランドセルを放り投げ、教室へ入るのを拒否したのは小学生のときでした。

もうずいぶん前のことになりますね。中学生になったあなたは、背が伸びてお父さんを追い越し我が家でいちばんの背高のっぽになりました。思春期を迎え、口数の少なくなったあなたとのつかず離れずの付き合いかたを考えてしまうこのごろです。

学校へ行かないことを、私が認めるのにずいぶん時間がかかりました。今もまだどうしてあんなことになったのか、親子で泣いたりわめいたりした苦しい日々が続いたのだろうか、と思う日がよくあります。あなたはあなた自身の力で自分の道を開いてここまで歩いて来たのだ、と私は思っています。

でも忘れないでください。あなたの周りであなたを心配してくれた多くの人のことを。お父さんが、言ったこと。

「人生八十年、その内の二年や三年ゆっくり休む時間があってもいい。」

おばあちゃんが言ったこと。

「笑っても一日、泣いても一日、同じ一日なら笑って楽しく暮らしたらいい。」

そしてお母さんを支えてくれた多くの友人。大勢の人の思いやりであなたは大きくなったのです。友達を大切に、命をだいじにしてね。

母より

 

問合先 ふるさと創造部 人権推進課
TEL:0790-42-8727 FAX:0790-43-1380 mail:jinken@city.kasai.lg.jp

Page Top